#1495 高木浩光氏の逆鱗に触れる
「#1493 ピントはずれのウィニー対策」 について
ぽかーん。(@@)
なにか悪い事いいました?
よく見ると、このコメントの主は 高木浩光 氏ではないか。
河野太郎議員 #1412 もそうだったが、大きな声で言えば(強調表現で偉そうに書けば)より正しいと勘違いしているみたいだ。
高木浩光氏に関しては、リンク・ポリシーの話で「冷静沈着かつ丁寧なツッコミ」#1417 , #1449 を見てきただけに、こういう「下品で粗暴な罵倒」は意外だった。私が高木氏の本性を知らなかっただけかもしれないが。
コメントの主旨は、ヒステリックな表現を除けば、下記の3点である。
- (利用者に責任を押しつけて)「Winnyは悪くないよ」と言うつもり?
- Winnyによる情報漏洩対策は両方(リテラシー向上と技術的対応)やるべき。
- リテラシーの向上でウイルス感染をゼロにできるのか?
1. 「Winnyは悪くないよ」と言うつもり?
#1489 Winnyの罪と罰
- 現在の Winny はピストルである。「真っ黒な(使われ方をする)道具」..
- 作者を罰するのは現行法では筋が違う。しかし、..
で書いたとおり。
私は「価値は中立としながらも有罪を言い渡した(奇妙な)判決」を概ね支持している。
法律の空白地帯で有罪判決が出るのは司法の暴走(立法の怠慢)という意見もあるが、Winny の真っ黒な使われ方を考えればやむを得ない。
2. Winnyによる情報漏洩対策は両方やるべき。
ネットワーク上のファイル共有ソフトの利用状況を監視 .. 漏洩した情報を削除
に関する技術的可能性について、私は否定的だが、専門家である高木氏が「やるんだよ。ボケ!」とまで言うのだから、既に見通しが立っているのだろう。
しかし、(国が)ネットワーク上の通信を監視して、漏れ出した機密情報を選り分けて削除できるならば、それは検閲・盗聴の常態化を意味している。政治的に極めて危険な状況だ。通信内容をいちいちチェックするのは「できる/できない」の以前に「やるべきでない」。
高木氏はそれらの見識も持ち合わせていると思ったが、単なる「技術バカ」なのかもしれない。それとも「研究するだけで運用はしない」「できもしないことを提案してお金だけ巻き上げよう」という魂胆か。
3. リテラシーの向上でウイルス感染をゼロにできるのか?
以前、高木氏は All or Nothing で反論することを鋭く批判していた。
http://takagi-hiromitsu.jp/diary/20061104.html#p01
マスコミの記事でよく見かける表現に、「完全に○○ないわけではない」というものがあるが、これは断定できないことを言うときの逃げ口上だってことを知っておいたほうがよい。
このあたりの言語感覚について、私は強く共感している。
ゼロにできるのか?
という表現は「完全に○○ないわけではない」のバリエーションである。
- 良いことを完全にする。
- 悪いことをゼロにする。
どちらも困難である。
いかなる対策を立てようとも「ウイルス感染はゼロにはできない」のだ。「××をゼロにできるんかね」と言うのはイチャモンをつけるための常套句であることを知っておいたほうがよい。
要は、有効度、優先度の問題である。
「何をやるべきか」を言うのは簡単だが、「何をやらなくてもいいか」を言うのは難しい。限られたお金と時間を最大限に活かすために、あえて「優先度を下げてもいいこと」を言うのが専門家の視点だと思う。
高木氏の日記を読めばWinnyについての考えは書いてありますよ.リテラシの向上によって被害をゼロにできるわけではないので,それとともに法的対策も必要って話だったと思います.総務省の10億円は・・・どうなんでしょうね.