#1752 将棋名人戦、非常識な観戦記者と明鏡止水の羽生名人
対局中の羽生名人に記者がサイン求める 厳重注意(産経新聞) - Yahoo!ニュース
将棋の羽生善治名人(38)に郷田真隆九段(38)が挑戦する「第67期名人戦」で10日、朝日新聞の委託を受けて観戦記者として立ち会っていたフリー記者(75)が、対局中の羽生名人にサインを求めるトラブルがあった。..
休憩時間に担当者が、問題の記者に「対局中に声をかけるような行動は慎んでほしい」と注意したところ「郷田さんの手番だと思っていた。うかつだった」と釈明したという。..
YouTube - 【名人戦】羽生の対局中に観戦記者がサインねだる【将棋】
http://www.youtube.com/watch?v=x_JRMJ3UEgM
郷田さんの手番だと思っていた
という釈明に「相手の考慮時間中は、待っているだけ」というシロートさんの悲しい日常が表れている。仮に自分が「相手の手番に考えない人」だったとしても、羽生善治名人がそうではないことくらい分かりそうなものだ。これほど「分からない」人が観戦記者をやっていいものかどうか。
羽生名人は明鏡止水の境地というのか、無神経に投げ入れられた石の波紋を一瞬で消し去った。周囲の愚行(ミス)に対して、怒りも悲しみも嘆きも呆れもなく、平然と対応する様は羽生善治の(技芸だけではない)すごみを感じさせる。
個人的にはあの場面で断る棋士の方が、人間臭くて共感するし、将棋界全体を見れば好ましい(非常識な観戦者を増長させない)と思うが、そういう人は、最終的に負けてしまいそうである。気が弱くて(断り切れず)渋々応じてしまうタイプも心の乱れはあるだろう。やはり「快くサインに応じて、何事もなかったことにする」という対応が最善手だ。羽生名人の場合は、生来の「人の良さ」も加味されている。
ところで、羽生名人はなんと揮毫したのだろうか。問題の記者は「対局中しかも考慮中にサインしてもらった扇子」という珍品中の珍品を公開して欲しい。
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サインを求める記者に対する羽生名人の対応 - 将棋の神様~0と1の世界~
http://d.hatena.ne.jp/Fireworks/20090410/p1
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将棋:緩急自在の指し回しで羽生先勝 名人戦第1局
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郷田さんの表情
飄々としていた羽生名人に比べ、挑戦者の郷田九段が怪訝な表情をしていましたね。郷田さんなら断っていたでしょう。