#1689 NHKプロフェッショナル仕事の流儀「ライバル」
「ライバル」スペシャル 2008年 7月15日(火)
最強の二人・宿命の対決 〜 名人戦・森内俊之VS羽生善治 〜.. 永世名人の資格を有する森内俊之(37)、挑むのは将棋界のスーパースター・羽生善治(37)。二人は、同い年で同期。小学校4年生の時に将棋大会で出会って以来、20年以上に渡り共に戦ってきた「宿命のライバル」である。
同い年で同期
という点が、とくに運命的である。
名場面
右から谷川浩司(解説者)、羽生善治、森内俊之。
オフの時もボードゲーム(バックギャモン)に興じる森内俊之。武宮正樹と対決してほしい。
名人戦・第3局。大逆転負けをくらって、茫然自失。
勝ち筋が見えると手が震える羽生善治。「勝利の瞬間が最も危ない」ということを本能的に察知するからだろうか。
語録
森内俊之「ずっと完璧主義でやってきたので、自分がミスをするのが許せないというのがあったんですけど、だんだん年を重ねるにつれて、人間だから間違えても仕方がないかなと、
ちょっとずつ緩くなってきてですね、思い切った手を指せるようになって、伸び伸びした将棋になってきたので。
そういう将棋の方が相手が怯んだりするんですよね。」
依田紀基の「虚仮の一念」(#1680 )に通じるコメントである。超一流同士の対決でさえ、勝敗を決するのは「正しさ」ではなく、「自信」や「信念」のようなものだ。
森内俊之「口の悪い先輩だったので、『酷い将棋だねぇ』と言われて、ちょっと楽になった」
気を遣われたり、同情されたりすると、逆に落ち込む、勝負師に共通するメンタリティがある。「酷い将棋だねぇ」とわざわざ言ってあげる先輩棋士の優しさが身にしみる。
関連
趣味はクイズ、チェス、麻雀、マジック、スポーツ観戦。特にクイズはかなりの実力で、パネルクイズ アタック25・1500回記念大会(「知性派タレントクイズ頂上決戦」、2005年3月)では丸山和也、高田万由子、やくみつるを破って優勝し、フランス縦断旅行を獲得した。
趣味は水泳とチェス。チェスでは、FIDE Masterの称号を持ち、2008年4月現在においてレイティングは2404と日本国内1位で、国内屈指の強豪である。日本チェス協会の国内称号である段位は六段となっている。
趣味はゴルフ、バックギャモン、歌、麻雀などと多彩で、いずれもプロ級の腕前という。特にバックギャモンにおいては、三大タイトルの一つである盤聖戦で、第12期盤聖となった(2005年)ほどの腕前を持つ。