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hidew 2006.06.30

#1328 茂木健一郎【対談】羽生善治

実は盤面はいらない/茂木健一郎 クオリア日記

NHK『プロフェッショナル 仕事の流儀』の収録は、将棋の羽生善治さん。

茂木氏は脳科学の専門家だけあって、羽生の頭脳にはかなり関心があるようだ。テレビ番組の収録ということを忘れて話し込んでいる様子がよく伝わってくる。普段は聞けない撮影の裏話も書かれていて面白い。

つまり、羽生善治の目はまわりを見ているのではなく、何やら抽象的な思念の世界を見ているのである。

「抽象的な思念の世界」に生きる人は車の運転だけでなく、駅のホームを歩くときにも危険である。将棋の羽生善治や谷川浩司は、あっちの世界とこっちの世界を器用に行き来している印象だが、碁界の中には「あっちの世界」に行ったまま帰ってこない人もいるpng 446 byte

考えているときに髪をかきむしったり、目をぎょろぎょろさせたり(羽生にらみ)つまりあれは、思考回路の活性化と同時並列して起こる運動系の抑制の中、思考回路の活性が一部運動系に沁みだしてそうなっているんだと思う。

そういえば、暗算の達人が超高速で計算を行う時、目が変な動きをするのを見たことがある。

最近になって、大局観のようなものができてきて、あまり手を読まなくなった、と羽生さん。
そのような指し方に最初に目を開かれたのは大山康晴さんの将棋を見ていた時だという。横から見ていて、「この人は、ぜんぜん読んでいない」とわかったというのである。

「多くの手数を読むこと」と「強さ」は直接関係がない。むしろ強い人ほど正解図に早く辿り着くために、多くを読まなくても打つことができる。

番組の放送予定は 2006-07-13 22:00 NHK総合
http://www.nhk.or.jp/professional/

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