#1729 こんにゃくゼリーは悪くない
野田聖子消費者行政担当相は目前の「風」も読めないような、近視眼的かつ短絡的な政治家だが、やはりと言うべきか、あまりにも本質、大局が見えていない。
“こんにゃくゼリーで男児死亡”受け、販売禁止要請を検討…野田聖子氏
http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/1179159.html
国籍不明の木っ端政党も、ここぞとばかりに声明を出している。
社民党OfficialWeb こんにゃくゼリーによる窒息死事故に関する緊急申し入れ
http://www5.sdp.or.jp/comment/2008/moushiire081001.htm
こんなことでいちいち政治が動くな。
「愚かな消費者が死なないように、危険な食材を販売禁止にする」という方針なら、まず「餅」の販売禁止が先だろう。「こんにゃくゼリー」だけでなく「こんにゃく」も禁止すべきだ。
そんなことは現実にはありえないわけで、「万が一にも事故が起こって危険だから禁止する」という方針がそもそも間違っている。
しかし、圧力に屈する形で製造中止が決まった。
- http://workingnews.blog117.fc2.com/blog-entry-1519.html
- http://mainichi.jp/select/wadai/news ..
- http://gigazine.net/index.php?/news/comments/20081008_mannanlife/
こんにゃくゼリーほどの固形物も危険で、かつ、その危険性を消費者自身が判断できず、かつ、悪いのはメーカー、政府だと騒ぐなら、もう流動食だけを与えておけばいい。いや流動食さえも死ぬ恐れはあるから、点滴にするか。
危険な食べ物は他にいっぱいあるのに、「こんにゃくゼリー」だけが標的にされるのは、市場規模が小さいからである。結局、消費者庁の「仕事してます」アピール、あるいは社民党の「消費者の味方です」アピールのために、弱い者イジメをしているだけなのだろう。
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しかし実際のところ実効性のある対策を打つことは極めて困難である。お上もそれはわかっている。わかってはいるが何もしないわけにいかない。下手な対策を打つと世の中にとって迷惑になる。そこで窮余の策として、「カタチは保ちつつも世間的にあまり悪影響の無い対策」を消去法で選び、実行することになる。
なんて馬鹿げた、と思うかもしれないが、お上だけが馬鹿なわけではない。このような行動パターンは民間企業でもごく普通に見られる。馬鹿な対策を打つ方も本音では馬鹿だとわかってはいるのだ。
ダガーナイフ規制は実効性がないかわりに害悪もない。ただ、根底にある「事故が起きる度に必ず犯人探しをして、規制しなければならない」という外罰的思考(なんでもかんでも他人のせい)が、全ての危険を排除するまで燻り続けるとしたら、今後は、害悪のある規制が次々に生まれることになる。
本当はこういう事故が起きた時、何も叩かなくてもいいはずなんですよ。親。悪くない。製造者。悪くない。そういうケースもあっていい。
事故ってそういうものですよ。誰も悪くない。でも起きることがある。予想外のことがあるから事故なんです。そして事故があることをどこかに意識はしていても、その意識を超えて起きてしまう。それも事故ですよ。
子どもさんが亡くなった。それは非常に不幸なことですよ。でも、こういう不条理ってのは、いつ誰に起きるかわからんことでありまして。オレが食べ歩きの最中に、食べ物をノドにつまらせて死んだ。ありえますよ。あります。否定できません。
オシム風に言うなら
「野生のライオンがシマウマを喉につまらせて死にますか?」
そういうことはあるのかもしれないけど、誰も悪くない。ライオンが食事中に死ぬのも、シマウマが食われるのも、そういう現実があるだけだ。
「不運にも事故に遭って死んだ」ではなく、「幸運にも今日生きている」というのが動物本来のありかた。人間様、日本人様、お子様は偉くなりすぎて何かを勘違いしている。
http://gitanez.seesaa.net/article/107994095.html
武士とは、生き物として生きることを他人に任せてしまった人間たちである。現代の日本人ともっともよく似ているのが、彼らであろう
こんにゃくゼリーの警告文が読めない人のための新世界|Weep for me - ボクノタメニ泣イテクレ > 雑記
世界は危険に満ちている。なんといっても、電気やガスが危ない。感電死、中毒死、焼死…事故死の危険に満ち溢れている。電化製品やガスコンロを規制するとか、そういうレベルの問題じゃない。電気やガスの流通自体を規制すべきだ。ここまでくると、ぼくにはもう、何が危険で何が安全なのかよく分からない。何をどれだけ捨てればこの社会から危険を拭い去ることができるんだろう。過去に学び、危険を認識し、個々人がそれを回避すべく行動する。それができないという前提に立つ限り、危険の排除には際限がない。当然だけれど、マンナンライフを潰せばもう安心という話ではない。
何もない、ただ安全だけがある、素敵な世界へようこそ。
まとめの一文がとても印象的である。これで全てを言い尽くしている。
H-Yamaguchi.net: こんにゃくゼリーを「安全」にするいくつかの方法についての提案
(6)味を中に閉じ込める
表面には味がついていなくて、内部にだけ味がついているようにすれば、噛んで食べるようになるだろう。表面を硬くしておけば効果が増すはずだ。1回噛むだけで中身が流れ出てくるのではなく、よく噛まないと味が出てこないようにできればなおいい。要するに「つるんと飲み込むものではない」と思わせればいいわけだ。消費者行政の専門家の皆さんは、消費者を赤ちゃん扱いするのが消費者行政ではないということをお忘れなきよう。本物の赤ちゃんは成長していくが、大人を赤ちゃん扱いしていると成長どころかむしろ退化していってしまう。これは食品偽装や毒物混入などとちがって、素人にも簡単に判断のできる問題のはずだ。この問題の本質はメーカー対消費者ではなく、愛好者対禁止論者という消費者同士の対立の構図にあるのだと思う。どちらか一方だけに犠牲を強いるのは好ましくない。
愚か者、うっかり者には際限なく下がいるので、何をやっても事故は起きるが、味を中に閉じこめるという案は商品として面白いと思った。
「こんにゃく入りゼリー」よりものどに詰まって死亡した件数が多い危険な食べ物ベスト10 - GIGAZINE
消防調査では全部で432例あり、中身を大別すると以下のようになります。
もち:77例
ご飯(おにぎり含む):61例
パン:47例
あめ:22例
すし(食品成分表で分類できないのでその他扱い):22例
おかゆ:11例
だんご:8例
流動食(食品成分表で分類できないのでその他扱い):8例
カップ入りゼリー:8例
ゼリー:4例
しらたき:4例
流れを追うのが面倒な人のための「こんにゃくゼリー製造中止問題」 - インターネットください
http://d.hatena.ne.jp/RPM/20081014/konnyaku
蒟蒻畑が要るかどうかは市場が決める。
市場規模が小さくて、力が弱いところはいじめられる、というのは冷酷な現実だけど、それを政治が是認していいものだろうか。
裏を返すと、アメリカのライフルや、日本の煙草のように、「規制の理」があっても、業界の力が強いというだけで、何もできないということになる。
今回のような「なくてもいいでしょ」を認めてしまうと、盗聴や監視カメラなどに対して「あってもいいでしょ」という理屈も認めざるをえなくなる。些細なことであっても、筋違いの政治介入は全て NG だ。
蒟蒻畑が要るかどうかは政治が決めることではない、市場が決めることである。
同感。
『蒟蒻畑』が問題なのではない。法治の根幹(明白な基準、一貫性)に関わる問題である。