#1774 タモリ「やる気のある奴は、去れ」
タモリ:
俺、熱い人ダメなんだよ、熱く語る人いるじゃん。
「やんなきゃ!」「やっていかなきゃ人間はダメなんです!」って。
そういう人いると凄い俺テンション下がるの。俺、ある時スローガンがあったの、座右の銘。
「やる気のある奴は、去れ」っていう。
普通でいいんだよ、普通で。
「やる気のある奴は、去れ」
見ていて疲れない、全てが自然体。
タモリは書道で言うと「余白を意識しながら、一画一画をさりげなく、それでいて丁寧に書く」というタイプの人である。明石家さんまには「余白がない」。島田紳助には「余白も、さりげなさもない」。同じ脱力系の所ジョージは「丁寧さがない」
「きらきらアフロ」のエンディング・トークで鶴瓶さんが、家族でタモリ家の別荘へ遊びに行った時のエピソードを紹介した。
鶴瓶(えらいスカッとしてるなぁ、この家・・・)
タモリ「・・・木、切っちゃった?」
この別荘には管理人がいて、以前「玄関の木を切っといて」と頼んでおいたらしい。タモリさんは、7本ほどある大きな木の、枝を切ってもらうつもりで頼んだのが、枝ではなく木の幹が、すべて根元からバッサリ伐採されてしまっていた! 家に入ると、何事もなかったかのように料理を作りはじめようとするタモリ。
鶴「ちょっと待ってあんた、木ぃ切られたんやろ、管理人さんに電話しなはれ」
タモリもしぶしぶ電話した。
タ「もしもし、タモリだけど。玄関の木、切っちゃったの? ・・・あぁ、切っちゃったのか。そうか。」
タ「いや、枝を切ってもらおうかなと思ったんだけど・・・。切っちゃったの。・・・あ、いや、わかったわかった(ガチャン)」
鶴「それ植木屋ちゃうで、木こりやで!」
超然としている。
「力を抜く」ということが、実は一番難しい。
- 講談社
- 2004/10/16
- ¥1,680
「坂道」の世界にようこそ!タモリがTOKYOを激写!散策によし、デートによし、街歩きの決定版!
(「よい坂」の条件)
- 勾配が急である
- 湾曲している
- まわりに江戸の風情がある
- 名前にいわれがある
「坂」そのものに着目するのはすごいセンスである。
タモリのマニアックさは「誰にでも理解できるけど、誰も気付かない」という特徴がある。(一般人から見て)どうでもいいことになると、とてつもない「やる気」を出して、本にまでしてしまう。
タモリは単に「やる気のない人」ではなく、「やる気のスイッチを入れるタイミングが普通と正反対」なのだろう。
* * * *
高川秀格の雰囲気を持った人だ