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hidew 2008.07.23

#1694 碁の「厚い」は「戦闘の備え」を意味する

島谷的舞録゛

級位者は厚味=外勢と錯覚している人が多いことに気がついた。
png 4725 byte 【図1】
この形を白が厚いと言われて驚く級位者が多いのではなかろうか。
級位者は外勢だけが厚味にあらずということを肝に銘じて欲しい。

「外側なら全て厚み」という理解はたしかに誤りだが、内側に閉じ籠もっている強い石を厚いというのも意味を広げすぎである。

即物的なたとえをすれば、碁でいう厚みは「戦車や戦艦の装甲の厚み」に近い。平和な日本で港に停泊中の漁船は「装甲の厚み」などあまり問題にしない。戦艦のそれが重要なのは、砲撃を受けて戦う恐れがあるからだ。

「厚い」という表現には、戦いに備えている というニュアンスが含まれている。図1の白のように、戦いから離脱していることが明らかな場合、「厚い」とは言わないだろう。

「強み・弱み」と「厚み・薄み」、微妙なニュアンスの違い。

強・弱 厚・薄
明確 曖昧
現在 将来
前方 後方

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またみつ 2008.07.23 [1]

銃後の備え?

幾何学的に近接していなくてもコウがありますからね。
この白を厚いと表現することに私は違和感ないです。

hidew 2008.07.23 [2]

プロ級の厳密な議論

確かに、コウの関係で隅の白を「厚い」と言うことはできます。プロ級の厳密な議論なら、それでいいと思います。ただ、級位者に「厚い」ということを説明する場合、「図の白が厚い」というのはかえって分かりにくくなります。

「銃後の備え」という表現は「厚み」を簡潔かつ適切に言い表していますね。厚み派の巨匠、大竹先生は「厚みは間接的に活用する。場合によっては使わないことさえありえる」という主旨のことを書いていました。