Voice of Stone #1693 鳥人間コンテスト運営のジレンマ

hidew 2008.07.21

#1693 鳥人間コンテスト運営のジレンマ

asahi.com(朝日新聞社)：鳥人間コンテスト、あの日大不出場 TV局の条件のめず - 社会

30年以上続く民放人気番組「鳥人間コンテスト選手権大会」の今夏の大会に、何度も優勝している日本大チームが参加せず、常連の早稲田大チームが希望と違う部門に出ることになった。応募締め切り後、主催者が急に新たな条件を出したことが理由だ。大会は開かれるが、学生側からは不満が聞かれる。
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飛距離で歴代最高の約34.6キロの記録を持ち、2回目から毎年のように参加する日本大学理工学部航空研究会は、今年も飛距離部門で申し込んだが、4月にあった書類審査に合格しなかった。

最多出場であり、最長記録保持者でもある日大理工学部は、鳥人間コンテストの歴史を作ってきたチームである。書類審査が不透明で不公正だという指摘は以前からあったが、王者を落選させる書類審査とは一体なんだろうか。

十年前は「琵琶湖対岸（横断）」が夢のように語られていたが、2003年大会で強制着水という誰も予想しなかった結末を迎えることになり、長距離部門にひとつの区切りがついた。「折り返し」ルールで、とりあえずの距離の問題は先延ばしを図ったものの、有力チームが１時間近くも飛び続けるという現状は、時間的にかなり難しい運営になってしまう。

日大が落選したのは、番組から「タイムトライアル部門に移ってほしい」という打診を断ったからではないかと思われている。

ref. 有力チームが流出する鳥人間コンテストの未来は何処にあるのか？ - 偏読日記@はてな

番組の都合で、有力チームを長距離部門から引退させるなら、「人力だけで果てしなく長い距離を飛ぼうとする」鳥人間の原点を見失うことになるだろう。この大会の魅力も大きく減退することになる。

テレビ局には「長く飛んで欲しいけど、長すぎるのは困る」というある種のジレンマがあり、そろそろ限界にきているようだ。

今後、さらに発展するなら、HONDA あたりがスポンサーになって、人力飛行の世界最長記録を目指すくらいの大会になってほしいと思う。その時は番組演出のための書類審査を廃止して、参加を希望する全てのチームに機会が与えられるといい。ランキングや予選のやり方を工夫すれば面白いことになりそうだ。

第32回・鳥人間コンテスト 2008 速報

放送前にネタバレしてもよい人はこちら。
http://love6.2ch.net/test/read.cgi/space/1216349558/
http://kidachi.kazuhi.to/blog/archives/002899.html

今大会は「風の運」がかなり大きかったようだ。大記録達成の同じ日に、下記のようなニュースがあった。

NHKニュース　びわ湖岸でも突風３人けが

27日午後1時ごろ、彦根市のびわ湖岸の松原水泳場で、読売テレビの番組「鳥人間コンテスト」の収録で使った高さ10メートルほどの特設ステージが突風にあおられて壊れ、木製の床板などがはがれました。床板の一部は周囲に飛ばされて、機材の撤去作業にあたっていた音響・照明会社や建設会社に所属する3人の番組関係者の男性に当たりました。3人は、救急車で病院に運ばれましたが、いずれも打撲などの軽いけがでした。

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