#1653 松本人志「(硫化水素で)アホがたくさん死んでくれて..」
松本人志「硫化水素自殺はマスコミが悪い」「丁度ええ時期にアホがたくさん死んでくれてオレはいいけど」とラジオで発言
- 松本 自殺なんてねー報道すればするほど、あいつら寂しい奴らだから、オレも死のうって思う奴がたくさん出てくんねん。あかんねんあんな報道、あれは煽ってるだけ。
- 松本 まぁ、ある意味ね、丁度ええ時期にアホがたくさん死んでくれてオレはええねんけど。これ以上ふやせんためにもうやらんでええねん。
「硫化水素自殺はマスコミが煽っている」というのはその通り。以前から「自殺については報道を控える」という倫理規定があるはずだが、硫化水素は「近隣住民に危険が及ぶ」という理屈により、野放図に報道されている。ニュースがおもしろがってんねん
と言われても仕方がないし、事実その通りだが、視聴率(発行部数)が取れれば何でもありのマスコミが自発的にやめることは難しいだろう。
後段のアホがたくさん死んでくれてオレはええねんけど。
という部分が問題の発言だが、これは確信犯である。
- 人命は地球より重い。
- 自殺は良くない。
- 生きていれば良いことがある。
と言ってしまうのは、お花畑に生きる人である。(関連 #1461 )
- 人命は軽い。
- 死にたい人は死んでもよい。
- 生きていても良くないことばかり。
これがリアル。
「死んでもよい」と言われると、生きてみようと思うのが人間心理である。松本人志の発言はそれを狙った逆説で、自殺問題に一歩踏み込んでいる。
かなり前に『完全自殺マニュアル』という本があった。タイトルからして「発禁モノ」の劇薬であるが、硫化水素で自殺しようとする人は是非読むべきだろう。といっても重要なのはほんの数行なので以下に引用する。
身も蓋もない結論を言ってしまうようだが、首吊り以上に安楽で確実で、そして手軽に自殺できる手段はない。他の方法なんか考える必要はない。
あとがき
別に「みんな自殺しろ!」なんてつまらないことを言っているわけじゃない。生きたけりゃ勝手に生きればいいし、死にたければ勝手に死ねばいい。生きるなんてたぶんその程度のものだ。
もう少し穏やかな内容がよければ、五木寛之『大河の一滴』という本がある。
私たち人間は小さな存在である。..
草の葉の上の一滴の露にも天地の生命は宿る。.. 一滴の露は森の湿った地面に落ちて吸い込まれる。そして、地下の水脈は地上に出て小さな流れを作る。.. その流れに身をあずけて海へと注ぐ大河の水の一滴が私たちの命だ。濁った水も、汚染された水も、すべての水を差別なく受け入れて海は広がる。やがて太陽の光に熱せられた海水は蒸発して空の雲となり、ふたたび雨水となって地上に注ぐ。
自殺するしかない人はそうすればよいのだ。死のうとしても死ねないときがあるように、生きようと努力してもそういかない場合もあるからである。だが、大河の一滴として自分を空想するようになったとき、私は何もわざわざ自分で死ぬことはないと自然に感じられるようになってきたのだ。
仏教的な人間観(死生観)を分かりやすく解説した名著。
生きてることが辛いなら いっそ小さく死ねばいい