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hidew 2008.05.08

#1648 官僚作文「問題は○○だけじゃない」

四季の素材 十五夜
「問題は○○だけじゃない」というフレーズは典型的な官僚作文である。

  • 無駄遣いしているのは道路だけじゃない。
  • 破綻しているのは年金だけじゃない。

こういう言い方で、特定の問題を普遍的な問題に希釈して、非難をかわそうとする。

次に続くフレーズはこう。

  • 抜本的解決が必要。
  • 全員が努力すべき。

はい、はい。

実例

  • 自民党・議員A「道路税制だけではなくて、全ての税制を抜本的に見直すべきだ。」
  • 民主党・議員B「道路特定財源の一般化だけでは話にならない。暫定税率も廃止すべきだ。」
  • 民主党・前原誠司「道路特定財源の一般化は大きな進歩だ。暫定税率では譲歩してもいい」

議員A は論外だが、未だにこういう「全部大事」「抜本的見直し」というアホくさい話で、何かを言ったような気になっている政治家は多い。

注目すべきは民主党・議員B である。実はこれが一番質が悪い。この人の本音は「道路特定財源の一般化にも反対」なのだ。だから、わざとハードルを上げて実現しないようにしている。郵政民営化の時も同じ手法を使っていたが、小泉自民党が意表をついて突っ込んだために「隠れ抵抗勢力」はヨレヨレになった。

前原誠司議員は、数少ない「まともな政治家」である。

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MORI LOG ACADEMY: 誰が悪いのか?

凶悪犯罪があると、往々にして「政治が悪い」「不況が悪い」「ゲームが悪い」「ケータイが悪い」「ネットが悪い」とコメントする人間が(特にTVに)登場するものだ。ちょっと以前は、「親が悪い」「学校が悪い」だった。
違うだろう。悪いのは加害者だ。そんな人間に誰がしたのかって? ほとんどは自分でなったのだ。本人に最も責任がある。どうして、周辺へさらなる理由を求め、原因を拡散しようとするのだろうか?

周辺へさらなる理由を求め、原因を拡散しようとするという習性。

なんでもかんでも「社会が悪い」と言っておけば、とりあえず評論家は務まる。

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