#1608 落合采配の非情 - 完全試合目前で投手交代
ダルビッシュと投げ合って8回終了時までパーフェクトの中日・山井投手。ここで落合監督は信じられない采配をした。なんと9回からいつも通り岩瀬に交代したのだ。多くのファンが唖然としたに違いない。
- 野球を知っている
- 勝負を知っている
- ファンサービスを知らない
と評される落合監督の真骨頂だった。
完全試合のかかった投球は見ているだけで震えるような緊張があり、日本シリーズの優勝目前で 1-0 というスコアを考えると、それは極限にまで達している。
落合監督は何を考えたのか。
- いつも通りの継投で平常心を取り戻そうと考えた。
- 特定の個人(山井)をヒーローにしない。あるいは「完全試合を台無しにする失策」などで悲劇のヒーローをつくらないという配慮。
- 半世紀に渡って遠ざかっていた日本一は、投手の完全試合よりも重いということを言いたかった。
「3勝1敗なんだから、1試合くらい山井にあげてもいいじゃないか」と見ている素人は考えるのだけど、落合監督はそうは考えない。決められる場面では必ず仕留めるというのが勝負の鉄則だからだ。
落合監督はおそらく「いつも通りだよ」としか語らないだろうが、それはあまりにドライで、合理的すぎる采配だった。
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中日スポーツ:落合監督激白「完全試合オレだって見たかった」:ドラニュース(CHUNICHI Web)
右手中指のマメが裂けていた。4回から耐えていたが、ついにはユニホームに血のラインがついた。それでも続投し、挑戦する選択肢もあるだろう。だが、山井自身も岩瀬への継投を望んだ。少なくとも首脳陣が強制した事実はない。痛みをこらえ、古傷の右肩に響くことを最も恐れた落合監督。渦巻いた批判に少し戸惑ったようだが、そこはオレ流を貫いてきた男の“経験”が生きている。
落合、亀田、初音ミク。 - Something Orange
1パーセントでも勝利の可能性が高まるなら躊躇なくそれを実行することが勝負の鉄則じゃないか?
でも、結局、観客が見たいものは、「スポーツ」ではなく「ドラマ」なんだよね。
53年の重圧を振り払うのに、絶対的守護神を出すのも選択。
(仮に山井が投げられる状態だったとして)山井の勢いに賭けるのも選択。
どちらも、勝つためにはあり得る選択で、どちらがより優れているかは、それこそ結果論で言うしかないでしょう。
野球ファンでない私がこの「事件」に興味を持ったのは「目の前のパーフェクトをを幻にする決断」の凄さに感嘆したからである。
2007年11月02日 myrmecoleon myrmecoleon sports プロ野球が求められているのはエンターテイメントであり,そして今回のように議論が紛糾して盛り上がってる以上,監督の采配は結果的に正しい
川上哲也采配の再来ですね。