#1359 ブログ肯定論
ブログは閲覧主体のWWWから見れば不便極まりない産物です。そのブログが人気を博せば、WWWのユーザビリティは毀損されるのであります。
ブログの不便な点
- HTMLの文法に準拠していない
- リソースの内容を表さないURI
- 匿名で書かれる日記
- 間違ったリンクアンカーが氾濫
- 構造上Lynxや音声環境と相性が悪い
- 分り辛いグローバルナビゲーション
- 鬱陶しいと言わざるを得ないキーワードリンク
- コメントやトラックバックは閲覧者にとっては不要
- 自分自身へのリンクは混乱を招く
- ■や_が日記の題名
- 荒廃した組織
この人はWebに関して細かいことまで理解しているのだけど、結論を導くところだけ妙な飛躍がある。例えば「運転が下手な人が車に乗ると人をひき殺す可能性がある」という事実を取り上げて、いきなり車を「全否定」してしまうような論理である。以下個別の説明。
HTMLの文法に準拠していない. Lynxや音声環境と相性が悪いということは、昔から言われていたことで、ブログだけの問題ではない。そもそも、HTML解説本の多くが「blockquote はインデント」という類の間違いを堂々と載せている。
→ のけぞる本!
キーワードリンク. ■や_が日記の題名は ''はてな'' に固有の問題である。確かに鬱陶しいと感じることはあるけども、初心者にとっては便利なこともあるはずだ。これらは ''はてな'' の個性にすぎないと思う。
リソースの内容を表さないURI- この批判が当てはまるのは 私の知る限り goo ブログだけである。他のブログは連番、年月日などである程度正規化された(意味のある) URI になっている。自分でファイル名を変えられるブログシステムもあるし、もしそれらが気に入らなければ自分で作ればいい。URI(ファイル名) を自動付与するか、手動にするかは、ブログの本質と関係がない。
コメントやトラックバックは閲覧者にとっては不要- 閲覧者がコメントを読みたくなければ読まなければいいだけの話である。新聞広告やTV-CM と同じである。
トラックバック用のURIへリンクをしているブログが偶にありますが、それはユーザビリティを著しく損ねる存在です。
これはバッドノウハウの典型で、単なる実装上の問題である。当然トラックバック用のURIへリンク
するのはやめるべき。
トラックバックの分かりにくさについては、たしかにブログというシステムのアキレス腱と言える。しかし、トラックバックがあるからブログは面白いのである。
ブログ(Web)の面白さは一言で言えば「自ら発信する」という点にある。当然、ブログの設計も「書き手」寄りになる。一般に入出力は一体のもので「読む人ほど書く」「書く人ほど読む」という傾向があるので、実は「書き手寄り」の設計は「読み手寄り」でもある。
ブログの世界で「純粋閲覧者」という特殊な存在を想定すること自体がおかしいし、仮に「純粋閲覧者」がブログの記事を読んで、トラックバックという聞き慣れない用語に引っかかったとしても、少し調べれば分かることである。もし分からなければ静かに通り過ぎればいい。