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みんみん 2006.06.08

#1299 年金制度

年金の話も面白いデータがいっぱい掲載されています。
まず公的年金の財源とその運用管理について、です。

スェーデン(および北欧諸国)

 →消費税が25%で、これが主たる財源。女性もほぼ全員が就労しているため
  基礎年金は廃止されている。働いて保険を納付すれば、高い消費税が老後
  に還付されるという仕組み。

アメリカ

 →低負担・低福祉の代表。年金も個人で積み立てろ、医療保険も民間へ個人
  で加入しろ、という自由主義の国。しかし、賃金の7.7%は天引きされ、
  同額を政府が追加負担して、基礎年金とする。しかもその運用は債券だけ
  で賄い、運用に関する情報も公開されている。
  実は、日本よりまともな年金制度が存在している。

EU諸国

 →スェーデン(および北欧諸国)とアメリカの中間。消費税が15%位で
  その半分は福祉目的税である。また日本でいう厚生年金の企業の負担
  割合が高い。法人税・関税が安い代わりに、企業は従業員に対する公的
  負担が大きい。

日本の現状、企業が公的負担を回避するため、大企業でさえ企業年金基金の
解体が進んでいる。また、厚生年金・社会保険の負担増は正社員を雇用
するリスク要因であると規定され、派遣社員の採用や、社員を請負契約に
する事によって国民年金・国民健康保険への加入を推進し、日本の大企業は
コストダウンにより利益を確保する、という新たなビジネスモデルを確立した。

液晶パネル生産の人事担当者の曰く「中国でさえ、公的年金制度が広州を
はじめ一部の地域で強制されている。賃金の4-5%を従業員から、その同額を
企業から、さらにその同額を政府が負担し、積み立てるという制度ができて
安い人件費で搾取する事はもはや難しい。中国の法人税率は20%未満であるが
減価償却を事実上認めない、とか土地は借地権売買しか認めないとか、
政府の縛りは厳しい。しかし中国政府には赤字国債がないので、日本政府よりは
信用に値するかもしれない・・

かくてS社は中国にも2つの液晶パネル工場を建設したのであった。
ただし中国人は業務機密を持って同業他社に転職する傾向があるので、
最も重要な工程は日本人を常駐させ、研究開発は亀山だけで行い、
検査工程・実装工程・最終組立工程を現地で行っている。これトヨタの
ハイブリット車生産と同じである。

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