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hidew 2009.06.28

#1807 TBSドラマ MR.BRAIN は期待はずれ

TBS系で放送中の MR.BRAIN を見た。

jpg 2920 byte セットに金をかけ、話題になりそうな俳優を多数出演させ、視聴率をとりたいという必死な思いだけは伝わってくるが、ストーリーがいまいちで空回りしている。

効果音やセットの感じは、24_-TWENTY_FOUR- に似ている。私は見ていないので分からないが、CSI:科学捜査班 というドラマにはもっと似ているらしい。

木村拓哉が演じる脳科学者の九十九龍介は ガリレオ (福山雅治)のようでもあり、古畑任三郎 (田村正和)のようでもあり、Trick (阿部寛)のようでもある。頭脳明晰な奇人変人、重々しい事件を舞台におとぼけを演じる喜劇を狙っている。しかし、元々軽薄な木村拓哉が軽いキャラを演じても面白くない。古畑任三郎は田村正和が演じるギャップが面白いのである。

「博学で頭が切れる科学者」という役作りにも失敗している。福山雅治が白衣を着て眼鏡をかけるとそれっぽいイメージになるのに、木村拓哉は何をしても木村拓哉だ。ドラマに合わせて役を作るのではなく、キムタクに合わせてドラマを作っているかのような印象さえある。

Van Halen 'Jump' も 菅野祐悟のサントラも、それぞれ良い音楽だと思うが、このドラマの演出に合っているとは思えない。前に挙げた 古畑任三郎 や Trick は軽妙な主人公と 暗くて重いBGM のコントラスト(対比効果)が大きい。MR.BRAIN は軽薄な主人公に、お笑い系の脇役、明るくて高揚感のある音楽、全体が軽い。軽い雰囲気の中で、軽いキャラクタが、軽いボケを演じる。

このドラマにおいて、唯一、緊張感、深刻さを演出するのは「暴力・流血シーン」であるが、一番やらなくていい演出をやりすぎている。むやみやたらに出血する。まるでホラー・スプラッター映画のようだ。

いろいろな点で無駄に頑張った結果、一番疎かにされたのが脚本である。他の刑事ドラマが「犯人の理」「人間の弱さ」を割と丁寧に描くのに対して、このドラマは「特殊な人間が起こした特殊な事件」を題材に、犯人と警察が知恵比べのゲームをする、という皮相的なストーリーに成り下がっている。知恵比べのゲームも陳腐な小細工とご都合主義の連続だ。

仲間由紀恵が犯人役の回では、

  1. 「人格A → 人格B は記憶が共有されない」という取り調べの結果報告。
  2. 人格A に「青は一般病棟の入口、赤は隔離病棟の入口」という説明をする。
  3. 人格B に「一般病棟から出てきてください」と言う。
  4. 人格B が「青(じつは隔離病棟の入口)」から出てきたところで「多重人格を演じていた」ということにする。

「記憶が共有されない」ということは本人の自供(?)だけでなく、もっと丁寧に検証すべきだし、3 → 4 のプロセスで人格が同一であるという保証もない。なんといってもネタフリが狩野英孝のコントみたいで下手すぎる。わざわざ「青は一般病棟ですよ。 .. 一般病棟から出てきてくださいね」と説明してしまう。「そこに罠がありますよ」と言っているようなものだ。

多重人格を演じるほどの知性をもった人間が、この程度の仕掛けに引っかかるのはなんかおかしい。逆に言えばこの程度の演技なら、もっと早く見抜けるはずだ。「九十九龍介が優秀なのではなくて、周りの人間が無能すぎる」と評した人がいたが、私もその通りだと思う。

喜劇、悲劇、犯罪心理、脳科学、どの要素をとっても中途半端なドラマだが、できの悪さでは徹底している。「つまらない」と言いつつ、こんな長文のレビューを書いてしまうということは、なかなかのドラマなのだろう。いわゆる「スベリ芸」のような面白さはあるかもしれない。

関連

B002DZ2ZZS TBS系ドラマ「MR.BRAIN」オリジナル・サウンドトラック

  • 神坂享輔 (その他), 菅野祐悟 (その他), MAYUKO (その他), 井筒昭雄 (その他)
  • 2009/7/1
  • ¥ 2,500

#ドラマに合っているかどうかは別にして、菅野祐悟の音楽はなかなか良い。

*

hidew 2009.06.28 [1]

BOSS >> MR.BRAIN

同時期に放送されていた BOSS(フジ)天海祐希主演 は面白かった。

雑な部分(日本で一人しか解除できないとされる液化爆弾を電話による伝言だけで解除してしまうなど)もあるけど、犯人と捜査官の心理をしっかり描写している。伏線の張り方も上手い。

天海祐希や竹野内豊に重厚感があるから、笑いの小ネタも生きる。

hidew 2009.06.28 [2]

木村拓哉(ジャニーズ事務所)の肖像権管理

主役の木村拓哉が写っている画像を1、2枚拝借しようとして驚いた。

http://www.tbs.co.jp/mr-brain/cast/
http://www.tbs.co.jp/mr-brain/chart/
http://www.tbs.co.jp/mr-brain/gallery/

公式と思われる Webサイトに、木村拓哉の写真が1枚もない。

ジャニーズ事務所はテレビ撮影も禁止したらどうだろうか。

hidew 2009.07.05 [3]

木村拓哉に限界説?

livedoor ニュース - 木村拓哉に限界説

テレビ界に激震が走ったのは8日。主演している「MR.BRAIN」(TBS)の視聴率が急落したのだ。初回24.8%、2回目22.0%、6日放送の3回目は16.3%。前回から6ポイント近くダウンし、初回と比べると8ポイント以上。

「まさか20%割れはないという声が圧倒的で、4ポイント近く割り込んだのは想定外」という声が出ている。このままなら平均視聴率が20%を切る可能性もある。

あの脚本でこんなに視聴率を取っているということは、キムタク人気がまだ衰えていないことを示している。

ただ、MR.BRAIN がキムタクの イメージビデオ でしかないのは事実で、刑事ドラマとしてはいまいちである。

hidew 2009.07.05 [4]

渡辺謙と木村拓哉の違い

肥留間正明の芸能斜め斬り 俳優・渡辺謙とタレント・木村拓哉の違い - 速報:@niftyニュース

テレビ朝日「刑事一代」を見たとき、久々に本物の俳優を見たような気がした。渡辺謙のことである。共演した相棒の高橋克実は、さしずめモーガン・フリーマンと同じ助演男優賞もの。脇を固める渋い演技は、この人を超える俳優はなかなか見当たらない。高橋がいるからこそ渡辺謙も輝くのだろう。

そして渡辺謙。地味なノンキャリア叩き上げの刑事役なので、華々しいアクションがあるわけではない。しかし地道に犯人に迫っていく迫真の演技は、この人の実力の高さを見せつけてくれた。..

その一方ではキムタク。謙さんを見る前に犯罪を脳科学で推理し、解決する「MR.BRAIN」を見た。とにかく軽い。まさにテレビドラマだ。キムタクを見た後だと一層謙さんが重く見えるのから不思議だ。この違いは何なのか? 一言で言えば「タレント」と「俳優」の差である。.. キムタクは、上から見ても下からみてもキムタク。でもキムタクはこれで良い。彼が偉大なるワンパターンが売り物だ。

キムタクがカローラとすれば謙さんはさしずめセルシオか。.. カローラは世界で一番売れている世界一の車だ。故障はしないし、乗り心地に不満はない。この車に一度乗ると大ファンになってしまう。対するセルシオは、一度でもいいから乗ってみたいあこがれの車。販売台数はカローラとは比較にならないがブランド力は圧倒的。ファンはどっちを取るのか。

hidew 2009.07.11 [5]

NHK 追跡!AtoZ「脳の秘密 - 羽生名人の思考」

これからの放送予定|NHK 追跡!AtoZ

7月11日 土曜 午後8時 - 8時43分
脳の秘密 未来はどう変わる?
ちまたにあふれる「脳を鍛える」という言葉。誰でも密かな関心をもってしまう脳の鍛錬。でも、それは本当に可能なのか。脳は生まれつきに支配されるものなのか、あるいは意識的に鍛錬できるものなのか。

そもそも脳には、どれだけ一人一人の違いがあるのか?そうした疑問に今、脳の内部を見る技術=脳画像技術が答えを出そうとしている。その技術は、fMRIやNIRSなど、脳の活動を“動画化”して捉えるもの。その技術革新が、脳のより細かな変化を見ることを可能にしてきた。それによって今まで不可能だった、“脳の体験による変化”や“人の心”を追究することもできるようになったのである。

番組では、プロ棋士のひらめきを解析する研究プロジェクトに密着。天才と称される羽生名人の思考の秘密を皮切りに、人の個性や心に迫る研究の最前線を追跡する。そうした研究の成果はすでに一部が商品の広告や法廷など、社会の様々な分野で使われはじめている現実もあり、そこに潜む倫理的な課題も探っていく。

MR.BRAIN(最終回)の真裏で放送される。NHK もやるなー。

hidew 2009.09.26 [6]

ジャニーズ事務所の肖像管理

benli: 「こち亀」の終わり

..ジャニーズ事務所の頑ななネット拒否戦略のため,ネットを宣伝媒体として十分に活用できないからです。
..
さすがに「人物相関図」で香取慎吾のみを似顔絵にする愚こそ避けていますが,関係者のインタビューコーナーに主役である香取慎吾の単独インタビューは掲載されていない,準主役の速水もこみち,香里奈を交えての三者対談でも主役である香取慎吾だけ画像が掲載されていない,云々と,まあひどいものです。

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