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hidew 2007.12.17

#1620 12/16 『情熱大陸』(TBS系)佐藤康光

12/17 『情熱大陸』(TBS系)は将棋のトッププロ佐藤康光の特集だった。

佐藤康光は風貌や穏和な人柄から、なんとなく学者タイプという印象がある。棋風については「盤の裏側までヨム」と評されるとおり、徹底的にヨム、果てしなくヨム、囲碁でいうと木谷実のような芸風であろう。

テレビを見ていて感心したのは、サービス精神とマスコミ対応の上手さである。一流の棋士は「常識なんて、関係ねぇ。取材なんて、関係ねぇ」という変人タイプか、全てに凡庸な模範解答をする優等生タイプが多いが、佐藤康光は常識をふまえつつ、テレビ局が期待するクセのあるコメントを話すこともできる。「何をどう答えれば面白いか」についてもヨミが深いと思う。

今回の番組で知った興味深いことが3点あった。

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  1. 佐藤康光は主要七紙の将棋欄を切り抜いている。
  2. 緊迫した局面になると咳が出たり、吐いたりする。
  3. 携帯電話は耳にあてない(電磁波が脳に影響するかもしれないから)

プロ棋士なら棋譜は将棋連盟から真っ先に入手できるはずだし、アマチュア向けに書かれた解説も不要なはず。将棋欄を切り抜いて一体どうするのだろう。観戦記者の文章術を勉強して、河口俊彦、先崎学に続くつもりだろうか。 そういえば本棚にも将棋の本が多かった。

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緊迫した場面で、体調が悪くなったり、奇妙な癖が出たり、という例は棋界では枚挙に暇がないが、佐藤康光は意外だった。冒頭で学者タイプと書いたのは誤りで、実は、最も苛烈な勝負師タイプかもしれない。囲碁では趙治勲、小林光一、小林覚、がNHK杯でハンカチを使っている。小林光一が口を押さえつつ、時々咳払いするのは佐藤康光と同じ症状ではないかと思う。

電磁波の影響は、携帯電話の黎明期に騒がれたことがあったけど、普通の人はもう忘れている。こういう些細なこだわりに一流棋士の凄みを感じる。

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