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Bobby 2007.01.13

#1505 電子技術の草分けジャーナリストから

ご関心があるかと愚考して、僭越ながらコピーをお届けいたします。
筆者は日本の半導体技術の育ての親とも言うべき大ベテランジャーナリスト。
毎月1回、メールマガジンを発行されるそうです。(以下、貼り込み文)


工業調査会のメールマガジン     http://www.kocho-net.com/     
────────────────────2006.12.14 創刊準備号
志┃村┃幸┃雄┃の┃
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て┃く┃の┃ろ┃じ┃い┃余┃話┃
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こんにちは!株式会社工業調査会です。

このたび小社では、メールマガジン「志村幸雄のてくのろじい余話」を発刊することとなり、創刊準備号をお届けします。弊社会長で技術ジャーナリストとしても活躍している志村幸雄が工業技術の周辺について毎回コラムを執筆いたします。皆様の知的好奇心を刺激するメールマガジンを目指していきますので、末永くご愛顧お願いいたします。【編集I】

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符号化通信のハシリ(?)
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 小社の最新刊である高橋雄造著『百万人の電気技術史』は古代ギリシヤからIT(情報技術)全開の今日に至るまでの電気技術通史として、文字通り万人にお勧めしたい好著である。

 しかし、本書の魅力の1つは、電気(電子も含め)技術の正史の中に息づいている裏話やエピソードがふんだんに盛り込まれていることだ。たとえば本書の90頁を開くと、「1.腕木伝信」の節があって、腕木の形を望遠鏡で見てリレーしていく、原初的な通信方式が紹介されている。ここまでの話なら、並の電気技術史に書かれているが、本書ではもう一歩踏み込んで、アレクサンドル・デュマ作『モンテ・クリスト伯』が登場して、当のモンテ・クリスト伯が主人エドモン・ダンテスを無実の罪に陥れたダングラールに復讐しようと、伝言オペレータを買収する話が出てくる。男爵に成り上がったダングラールを株の投機で大損させるため、折からの戦争の勝敗を逆にした伝言文を意図的に送らせる、という筋書きだ。

 この話はあくまでもフィクションだが、フランスでは腕木伝信が大衆小説の道具立てになるほど実用化されていたことが理解できる。ところで、その時代とあまり変わらない江戸時代中期、海を渡った日本では「旗振通信」という特異な通信方法が採用されていた。一定の距離を置いた高所に信号手を配置して、旗を振って次の信号手に情報を伝えるというものだ。旗の色や形の違い、振り方によってかなり複雑な情報が伝えられたというから、大量情報志向型の符号化通信のハシリと言うことができよう。

 手許にある資料を見る限り、その起源は必ずしも明らかでないが、安永4年(1745年)の御触書が、摂津・河内・播磨三国の域内での合図による堂島米相場の通信を禁じているから、それ以前から実施されていたことは間違いない。 この禁止令はその後解除され、明治維新の少し前には、西は広島、東は桑名あたりまで通信範囲を拡大していたそうだから、それなりの広域情報網だったことがわかる。時代の推移とともに、米のみならず油や金の相場も取り扱われ、その伝達速度は大阪??和歌山間で約3分だった。これまた予想を超える高速通信だったという他はない。

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しむら・ゆきお―工業調査会会長。当社発行の月刊技術誌『プラスチックス』に「プラスチック余滴」、『電子材料』に「今月の人」(隔月)、『M&E』に『テクノグラフ』を執筆。著書には最新刊の『誰が本当の発明者か』など多数。

☆『百万人の電気技術史』高橋雄造著(2,940円)詳細はこちら↓

http://www.kocho-net.com/shop/shop ..
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hidew 2007.01.13 [1]

どうもありがとうございます。
実はもう、半導体とは全く関わりがないのですが、学生時代を思い出して読んでみます。