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みんみん 2006.05.26

#1276 スーパー早打ち囲碁

という対局ソフト(ファミコンのカセット)が今から18年前に発売されたんです。これはゲーム専用機(当時は初代ファミコンしかなかった)初の19路盤対局ソフトだったんです。というか8bitのマシンで19路盤対局ソフトなんて、空前絶後でした。このカセットはナムコ社から発売されたんです。開発したのはホームデータ社、新神戸駅前にあったソフトハウスです。この会社、将棋の対局ソフトで一山あてて、次は囲碁をやろうとしたんです。プログラマは村山君という私と同世代の人でした。ホームデータ社は、当時神戸にいる若くて囲碁の強い人をアドバイザーにしようとしました。ホームデータ社が東京にあれば、メイエン・メイコウ兄弟の所へ話が行ったはずです。最初に坂井秀至君(当時灘高)に頼んだが断られ、次に行松(当時神戸大・学生本因坊)君に話が行きました。
行松君は自分は忙しいと言って断り、代わりにパソコンマニアの先輩二人、私とS垣(現NEC)を紹介して、話が回ってきたのでした。

私は夜間部の学生で、昼間は現三井住友銀行の情報子会社で働いていた時期がありました。私とS垣は村山君の作った試作品を見て驚いた。8bitのマシンで動く事に感動しました。プログラムはマクロアセンブラで書かれていました。着手選択のアルゴリズムは、形のパターン認識から候補手をリストアップし、乱数を発生させてランダムに着手を選択させていたました。(驚&笑)

この設計は、大正解であると私とS垣は絶賛しました。つまり手を読む事を最初から捨てていたのです。だから90%以上の確率で5秒以内に着手できたのです。
一線の石は逃げ出さない、とかシチョウを逃げ回るのはやめる、とかを提案しました。このソフトは30万本のヒットとなりました。しかし、バージョン2は作る事はできませんでした。理由は、設計思想にありました。強くなる事、手を読む事を最初から放棄していたのですから。
こんなデタラメなソフトでも売れた時代があったんですねぇ。

*

hidew 2009.04.08 [1]

2006-05-26 20:49

「スーパー早打ち囲碁/ファミコン」とは懐かしい。私がお金を出して(しかも発売とほぼ同時に)買った唯一の対局ソフトです。このソフトは世界で初めて市販された対局囲碁ソフトだったと思います。今から見ればデタラメでも、当時の状況を考えれば十分に画期的でした。

みんみん 2009.04.08 [2]

2006-05-26 22:17

あのソフトがヒットした理由は、ユーザーが何を望んでいるか、を真剣に考えたからです。パソコンのソフトが長考したあげくに自滅的な手を打つのを見ると悲しくなってしまうじゃないですか。どうせ弱いのなら、愛される弱いソフト、ユーザーに心理的に負担のかけないソフトを作ろうとしました。