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Bobby 2005.10.22

#943 かたんと打べからず、まけじと打べし

かたんと打べからず、まけじと打べし

新幹線車中で開いた『WEDGE』誌の「古典を開く 経営を拓く」から。

日本の“大航海時代”にあたる戦国末期に巨富を築いた博多商人、鳥井宗室の「遺言状」。頼りない後継者に抱くもどかしさを吐露した17条に上る経営者の切々たる思い、とある。五十歳になるまで「後生願い」を禁じたり、「飯の炊き方」まで事細かに指導するなど“親心”に満ち満ちているが、「親の心子知らず」。後継者の徳左衛門は、宗室が禁じた南蛮船への投資に手を出してしまった。

17条の中で、第3条に挙げられた「博打・遊び事の禁止」が目につく。「博打・双六などは全面禁止、碁・将棋、謡や舞などは四十歳まで禁止、五十を過ぎたら芸能事はやってもいいが、月見・花見などの見物事は禁止」とある。ものすご〜くストイックな人生だ。

とまあ読み進むと、最後にやっと表題の意味に触れ、「弓矢の達者は負けた時の用心手だてを第一に心懸けている。商家でも同様」として、『徒然草』に双六の上手が「かたんと打べからず、まけじと打べし」とあるのはこのことだと念を押したのだそうだ。

何とまあ、これは碁の話ではなかった。スマソ。