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Bobby 2005.10.01

#866 論客、剣客を志す

論客、剣客を志す

駆け足で通り過ぎ行く北国の秋。夜明けは遅く、しかるに論客の朝は早い。早朝の日課「千本ノック」を軽々とこなすと、朝食を摂る間ももどかしく、並べるは今日もお気に入りのセドル。何事も手抜きを許さない性分なのか、お伴奏選びにも念を入れる。この日は『歌劇アイーダ』の気分らしい。

「1日16時間勉強しよう!」自らに課した厳しい戒律を粛々と始めてものの30分ほども経っただろうか、論客は小さく頭を振り、ふとため息を漏らす。そして何を思ひつかれたまひしや、納戸をかき回して一振りの木刀を持て来たり。「スポーツしよう!」と自らに問い掛け、論客はふらり外へ出る。

目指すは屋外修練の秘密基地、青葉山頂。健脚の論客はたちどころに山頂に至るや、図田袋に石を詰め込んで大樹の枝に吊り下げたり。論客はしばし瞑目、やがてくゎっと眼を開くや、かの図田袋を木刀にて瞬間的・反射的・機械的に狂気の如く打ち据え続けたり。その姿、ただただ凄惨なり。

足元には論客が携えし小さな文庫本。表題には藤澤周平著「秘太刀・馬の骨」と読める。「千本ノック」「棋譜並べ」に飽き足らず、つひに論客は剣客への志を立てられたらしい。“肉を切らせて骨を断つ”究極の奥義を体得し、もって碁敵どもを撲滅せんとや思ひたまひしか。

そして今宵論客が見る夢は、ネット碁大会でのosama先生との決勝対決か、はたまた長年の悲願、MLG(http://www.tsubasa.com/MuramasA/ )での三冠王獲得だらうか。