hidew 2005.08.01
#695 虚構と現実の区別
「女王の教室」に関してゾクっとしたことがひとつある。それは番組の内容ではなく、公式HP の 掲示板 に寄せられた視聴者の意見に対してである。
このドラマに込められた寓意を深読みすれば「日本の官僚機構」や「北朝鮮や中国のような独裁国家」に対する批判のメッセージが見えてくる。また「阿久津真矢に服従して自己保身に走る哀れな生徒」は「強国アメリカに何も言えない日本のスタンス」に重なり合う。
「ペーパーテスト至上主義」や「長いものには巻かれろ」というメンタリティを露骨に描くことで視聴者の嫌悪感を呼び起こすのは制作者の狙いである。
制作サイドはこのドラマが視聴者の反感を買うような内容であることも承知していて、明らかに興醒めな「舞台裏」(天海祐希が笑顔でダンスするシーン)をエンディングで流している。つまり「このドラマはフィクションです」ということを言葉だけでなく映像としてはっきり明示している。
にも関わらず、掲示板投稿の2割くらいは、この番組のテーマを理解せず、虚構と現実の区別もつかないまま感情的な批判を書き殴っているのである。それは、このドラマの内容よりももっと恐ろしいよ :-(