#1913 爆笑問題のニッポンの教養「本当の強さって何? - 棋士・羽生善治」
天才の名をほしいままにしてきた羽生善治名人。彼は自分のことを、理系の研究者に近いと語る。
今や、プロが指した将棋の棋譜はインターネットによってリアルタイムで世界に広まる時代。新手も指した瞬間に研究され対抗策が現れる。まるで、科学の世界の研究開発競争だ。そう、将棋はまさに生きた「学問」なのだ。
そんな厳しい世界にあって圧倒的な勝率を誇り、棋界に君臨する羽生善治と爆笑問題が初顔合わせ。まずは将棋対決で前代未聞の珍勝負を繰り広げる。続く対談では、コンピューターと人間の思考の違い、定跡・セオリーの価値と限界、将棋と漫才の共通点などをめぐって、大いに盛り上がる。
プロ棋士でさえすぐには理解しかねる独特の妙手「羽生マジック」は、なぜ生まれるのか?
本当の個性とは、強さとは何か?
「混とんの中でこそ、自分の個性が出せる」という羽生。稀代の天才の素顔、「名人」ならではの境地に、爆笑問題が迫る。
羽生善治「人間は強くなるほど考えなくなる。コンピュータは逆にどんどん計算量を増やす。全然思考のプロセスが違う。人間の能力は「省略」にある。」
坂田三吉の端歩
最近の将棋は「わざと遅れて…」という打ち方もまじめに研究している。
羽生「羽生流みたいな独自の戦法を作り出したりはしない。既存の方法に改良を加えることが多い」
太田「個性なんてものは勝手に出てしまうもので、持とうとするものではない。今の羽生さんの話で『ほとんど定石なんです』という態度が本筋なのだと思う。」
田中「何手目からオリジナルっぽくなるんですか」
羽生「早いと 10手、80手くらいまで定型通りのこともある」
羽生「将棋は自分から仕掛けようとすると逆に技をかけられてしまうんです」
羽生「公式戦では予想外のことが起こる。そういう将棋こそが面白い」
羽生「最近すぐ忘れてしまうんですよ(笑)」
太田「どういう状況でも受ける形がある、そういう人が一番強い」「どういう食材を与えられても美味しく料理する」
羽生「情報とか知識は本当に食材のようなものだと思っています」
太田「羽生さんは世界情勢で、自分ならどうするかを考えたりしますか」
羽生「将棋は全ての情報が公開されていますからね。実際の政治では相手の持ち駒とかが伏せられている」
羽生「将棋は長い間変わっていない。それだけ精巧にできているということ」
太田「趣味は何ですか」
羽生「ボーッとすることです」