#1793 足利事件の菅家利和さん無罪放免へ
足利事件の菅家受刑者を釈放へ、東京高検が再審容認意見書 : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
栃木県足利市で1990年、当時4歳の女児が誘拐・殺害された「足利事件」で無期懲役が確定した菅家利和受刑者(62)が申し立てた再審請求で、東京高検は4日、即時抗告審で実施されたDNA鑑定の結果について、「無罪を言い渡すべき明らかな証拠に当たる」とする意見書を東京高裁に提出した。
菅家さんは同日、刑の執行を停止され、千葉刑務所から釈放される。菅家さんの逮捕から約17年を経て、再審が開始され、無罪が確定する見通し。
最初のDNA鑑定でクロと出てしまった点は不運であるが、弁護人の求めに応じて再鑑定をすることはできたはずで、もっと早く無罪放免されなければならなかった。
検察が当然行うべきだった証拠の補強、再検証を怠った理由は何か。
「再鑑定するのが面倒だから」という不作為ではなく「菅家さんが無実だということを薄々感じつつ、犯人に仕立て上げてしまえ」という作為があったのではないか。
冤罪事件に共通する問題として、警察や検察の「真相究明よりも、犯人検挙が大事」という姿勢がある。ヤクザと見紛うやり方で虚偽の自白を強要し、都合の悪い証拠が出ないように各方面を押さえつける。犯人役 が見つかれば真相などどうでもよくなってしまう。
最善の捜査を尽くした結果、それでもなお冤罪が発生してしまうのではなく、警察や検察が(素人でも分かる重大な疑義を意図的にスルーして)わざわざ冤罪を作っている。見て見ぬふりをする裁判所も同じ穴の狢だ。
裁判員制度というのは、どうしようもなくなった司法制度に風穴を開けるための苦肉の策だろうが、ヤクザのような人たちを相手に「捜査・鑑定に疑問がある」などと言えるものかどうか、心配になってくる。
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【麻生ぶら下がり】足利事件「可視化で冤罪が減るという感じがありません」
麻生首相「そうですね。今回の場合はDNAの鑑定っていうのが大きな決め手になったんだと思いますけども、昔のDNA鑑定の、いわゆる科学的なレベルと今のレベルとは全然、倍率がまったく違うことになってるんで、そういったケースもあるかと思いますが、これ一概に一般論として答えるのは難しいです」
- この件を受けて、冤罪防止のために、さらなる取り調べの可視化を求める議論が強まると思うが、首相の考えは
麻生首相「可視化にしたからといって、途端にそれがよくなるという感じはありません」
こんな他人事でいいのだろうか。麻生首相はこの件に関して全く何も考えていないことがよく分かる。
取り調べ室の雰囲気を疑似体験できる映像。
YouTube - ヤクザVS警察(関西で見慣れた光景)
http://www.youtube.com/watch?v=glv_xJDzNqg
菅家利和さんの取り調べは髪の毛をつかまれたとか、足を蹴られたと言っているから、もっとひどかったはず。
ミランダ警告(Miranda warning)とは、アメリカ合衆国において、後述する4項目の告知が被疑者に対してされていない状態での供述は、公判で証拠として用いる事が出来ないとする原則である。
- あなたには黙秘権がある
- 供述は、法廷であなたに不利な証拠として用いられる事がある
- あなたは弁護士の立会いを求める権利がある
- もし自分で弁護士に依頼する経済力がなければ、公選弁護人を付けてもらう権利がある
DNA鑑定に振り回される
検察や裁判所が科学を恣意的に扱ったことが悲劇の原因である。
科学とは「仮説と検証」の繰り返し。