#1790 プロ棋士には研鑽の義務があるか
※※※再追記※※※
私はいったいいつ囲碁理論に精霊という表現を使ったのだろうか?
義務を守っていないことが尊厳を破壊するとは思わないのだろうか?
追記・反論の作法
第三者がこの※※※再追記※※※
部分を読んだら、意味不明である。コメントを下にスクロールしていくと私が書いた記事の Trackback があるので、かろうじて、それに対する反論だと分かる。
風の精ルーラ氏は前から URL を書かない、まるで「反対証拠を出し渋る検察」のように。(実例 #1710 )
「再追記」という形でコソッと反論を書き足すのもその一環だろう。
宗教家のようなペンネーム
私はいったいいつ囲碁理論に精霊という表現を使ったのだろうか?
「風の精霊」というペンネーム。
「風の精ルーラ」「風の精霊」という別のハンドルを混同してしまったのは私のミスだが、「風の精ルーラ」だって、多分に宗教くさい名前である。まるで宗教家を相手にしているようである。
ということを、まるで宗教家のような名前の人が言うのである。
『ヒカルの碁』に出てくる「神の一手」が単に「最善手」の比喩であることくらい、級位者でも分かることだが、彼は「宗教家の話」と思ってしまうのだろう。「神様同士が碁を打ったら…」という比喩が理解できないのは、やはり「碁が分かっていない」ということなのだ。
前に説明したとおり「神様同士が碁を打ったら…」という話は、宗教とは関係ない。「碁が全解明されたら…」という論理的な思考実験の話である。
ところで、「風の精ルーラ」と「風の精霊」の2つのハンドルは、どのように扱って欲しいのだろうか。ハンドルをわざわざ使い分けるというのは、「別人格として発言したい」という意図があるのだろうが、中途半端に似ているために、どっちつかずで訳が分からない。
「尊厳」「義務」の意味
国民には納税の義務がある。憶測だけで脱税していると非難するのは、その人の尊厳を傷つける.
これは風の精ルーラ氏の主張を比喩的に要約したものである。
おそらく「名誉毀損」の「名誉」と同じ用法で、「尊厳」という言葉を使いたいのだろう。
「名誉」は「社会的に優れていると認められること、尊敬の対象」というプラス評価の意味だが、「名誉毀損」のように使われる場合は「社会的評価、体裁、体面、面子」というような中立的な意味に変わる。
法律関係の人が無用にややこしく、おおげさな文章を書きたがるのは今に始まったことではないので、こちらでうまく翻訳するしかない。
プロが努力をするのは第一に「自分のため」であり、第二に「ファンの期待に応えるため」である。「期待に応える」という程度のことを「義務」と言ってしまうのも無用にややこしく、おおげさな表現である。「義務」というのは納税の例えにある通り、もっと重いものだ。
勝つ義務
なんて言い出した時点で、もう訳の分からない用法になっている。しかも、彼は「勝つ=完全無敵の全勝」というメチャクチャな定義をしている。
誰も果たすことができない義務
プロ棋士に努力の義務はあるか。
音楽家や小説家は、ファンから「努力の義務がある」などと言われることはない。優れた作品を創って、それを売って生活する、それだけの話である。
囲碁のプロ棋士も似たようなものだが、「財団法人」という組織の位置づけが微妙なために、若干歯切れが悪くなる。プロ棋士個人としては、棋院との関係でなんらかの義務は発生するだろう。ただ、プライベートな時間をどのように使うか、をいちいち指図される筋合いはない。
「プロの努力と結果」について極端なことを言えば「プロ棋士は1年で4勝もすれば十分」である。その4勝が本因坊や棋聖のタイトル戦であればいいのだ。勉強しないでタイトルを守ることができれば何も努力する必要はない。
囲碁ファンの立場で「完璧ではないから努力の義務がある」なんて言う人は、自分が王様にでもなったつもりなのか、あるいはその棋士の師匠を気取っているのか。
囲碁は商売であり棋士は商品である と書いていた海原氏の方が(本文はともかく、) まともなことを言っている。