#1779 プロ棋士が感染症に罹ったら不戦敗
少し前に日本棋院では インフルエンザも含む感染するような病気にかかった場合、手合いを強制不戦敗となる決まりになりました。
高熱だろうが骨が折れていようが対局は這って行ってでも打ちます。
でもそれが許されない。 厳しい・・・事情は分かるが タイトル戦だったらどうするんでしょうか?
数ヶ月閉じこもって感染を防げというのか。
そんなもん気力で跳ね返す! と前は言えたのですが不戦敗は恐ろしい。
インフルエンザなどの感染症は「病気になった人が悪い」とは言えないのだから、本人に著しい不利益(不戦敗というのはプロ棋士には死刑宣告にも等しい)があるルールは改定すべきだ。
野沢竹朝が結核を患ったときのように、別室で対局すればいいのではなかろうか。今はIT(情報・通信技術)が発達しているのだから、病室からでもタイトル戦は打てる。
日本棋院で本因坊秀哉に次ぐ実力者鈴木為次郎が、かつて相性の悪かった野沢との対局を申し入れ、1927年から読売新聞主催で十番碁を行う。野沢は当初2勝1敗と勝ち越すが、結核が徐々に悪化して両者が別の部屋で対局するほどになり、またしばしな中断を挟むようになり、続いて持碁を挟んで4連敗し、1930年に9局まで通算2勝5敗2ジゴで終了した。翌年死去。
昔、趙治勲が交通事故に遭ったとき「思考に悪影響が出るなら麻酔は打たないでくれ」と言ったエピソードがある。周りの人間は「対局のことより、命の心配をしろよ」と呆れたに違いない。
プロ棋士というのは高熱だろうが骨が折れていようが対局は這って行ってでも打つ
を本気で実践するような人たちだから、不戦敗ルールだけは受け入れられない。最悪、対局中に死を迎えるような重症だったとしても不戦敗だけはないだろう。
「感染症は不戦敗」というルールは、棋士が病気を隠す動機にもなる。たとえば、「単なる風邪」と言い張って(本人もそのように思い込んで)医師の診察を受けず、対局を強行するようなことが考えられる。大局的に見ても良くないルールだ。
日本棋院と関西棋院は感染症罹患者が別室で対局できるようルールや環境を整備すべきである。