#1770 オレ様(と愉快な仲間たち)の意見は客観的に正しい
p.51 「消費社会的」段階に入り、.. 自分の思っていること、自分の判断していることは他のみんなにも通用するはずだとみんなが思うようになった。
p.52 超越的な視点からは個々の人の判断はまず私個人のものであり、主観的なもの「主観値」と考えるのが妥当だが、当の本人はほかのみんなにも通用する「客観値」だと確信するようになった。
「オレ様」というのは、自己中心性、幼児性、を表すひとつの記号 である。特徴として、
- 自分の観察範囲が世の中の全てだと思っている。
- 自分の思想信条美学哲学趣味嗜好が他者にも通用すると思っている。
実際に私が遭遇した「オレ様言論」の具体例を集めてみた。
完結した『 』シリーズや、現在進行中の『 』シリーズなど、かなり本気で語っていますが、いまだに私の真意を理解してない人もいるようなので、
意訳「オレ様がかなり本気で語っているのに、なんで理解しないのか」
どんなに本気で語っても、理解されるとは限らない。
「書き手の本気度」と「読み手の理解度」は無関係。
.. 当の囲碁メディア自体が報道してきていることですから、変化の兆しがあるなら絶対に報道するはずだと私は確信しています。
意訳「オレ様が確信しているのだから、絶対に報道するのだ」
読者が絶対に報道するはずだと確信
したって、実際に報道するとは限らない。海原氏は「オレ様の確信」を論拠として「報道がないのは事実がないからだ」と言ってしまう。トホホホ…
王立誠プロのやったことはルール違反ではありません。.. 「ルールの無い状況」でこそ、その人の美学とか哲学とかが現れるのではないでしょうか。その意味で、彼は本当に男を落としたと思います。翌年、彼が山下敬吾プロに惨敗して棋聖を失ったのも、なんとく因果応報な感じがします。
意訳「オレ様の美学に反する行為は、ルール通りであっても許さない」
「オレ様美学」の押しつけ。この後、海原氏は「オレ様美学は普遍的に支持される」ということまで言い出した。ref.#1730 , #1731
私としては、こんな主張はこれまで見た事も聞いた事も無い。
意訳「オレ様が聞いたことがないのだから、そういう主張は存在しない。誤っている。」
愚者は全てを知っている
賢者は無知を知っている
もし実態とかけ離れていたら申し訳ありません。だとしたらそうしたことを全然報道しない囲碁メディアのせいです。一ファンである私はメディアからしか情報を得られないので、私の責任ではありません)。
意訳「オレ様が聞いたことがないのだから、そういう報道は存在しない。」
愚者は全てを知っている(つもり)
多数の人に評価してもらう事が、一番の解決策なんでしょうけども・・・
意訳「オレ様が言っていることは、みんなも支持するだろう」
「多くの支持を集めること」を期待して「みんなが言っている。だから正しい」という結論へ導くつもり。
私は、(普遍的という言葉を)「論理的に正しい」という程度の意味で使っている。
意訳「みんなが言うことは、論理的に正しい」
NHKにはこの女性にそっくりの天気予報コーナー担当者がすでに存在する。容姿が特に男性の間で話題になったという話は聞かない。
意訳「オレ様が聞いたことがないのは、話題になっていないからだ」
仮に、話題になっていないとしても「だから何?」という話だ。
「あの娘」は私の職場では普通に耳にするが、当然新人に近い職員が対象だ。そんな駆け出しに対して「あの人」では、多少の尊敬の念がこもるか、逆によそよそしくなるかのどちらかだから、だれも使わない。
意訳「オレ様の職場では普通に言う。だから世間でも言っているに違いない」
オレ様個人基準ではなく、オレ様職場基準に拡張しているだけましなのか。
彼女らを私の周囲では、..「あの娘」「あのオネエちゃん」などと呼んでいる。アイドル性もへったくれもないのは明らかだ。
意訳「オレ様の周りでは女子アナをキャバクラ嬢のように呼ぶ。だから世間でも ..」
茶々入れ氏は「女子アナは『若い女性』をウリにするな」とも言っている。もう論旨がメチャクチャだ。
私の周囲でも当人の「顔」を知っている男性は多い。彼らもおそらく、例の新人アナウンサーを見れば私と同じように「似ているな」とは思うだろうが、「トップレベル」のような評が出てくるとはとても思えない。
意訳「オレ様の周りは、何も言わずとも考えていることが通じ合うのさ。」
双子か、エスパーか。
「主観と客観」「自己と他者」の混同という意味では究極のサンプルだろう。推定・憶測・妄想を三重に駆使しているところなど、もはや「アート」の域に達している。
関連
.. 初心者の皆さんの感謝の言葉の数をマジで数えてみて下さい。本当に悪影響を与えられたと思う人間がわざわざ「重い記事を開いて」まで感謝のコメントを書きにくると思っているのでしょうか?
ちょっと古いけど、よく似たパターン。ref. #1482
『オレ様化する子どもたち』書評
- 内田樹の研究室 2006: オレ様化する子どもたち
- 「オレ様化する子どもたち」 諏訪哲二 中公新書ラクレ|目次が日本一のブログ
- 諏訪哲二『オレ様化する子どもたち』のこと/その1:タイトルと内容および'80年代の先駆けと「オレ様」の「お子ちゃま」化 - SeaMountの雑記と書庫
- 「下流志向」のネタ元です。:オレ様化する子どもたち(諏訪哲二)| 読書っ子にっき
- オレ様化する子どもたち - tkenichiの日記
- 読書日記: オレ様化する子どもたち
- 『オレ様化する子どもたち』諏訪哲二 | 航海日誌 ** バイオリンの先生日記**
関連書籍
- ロバート・A・グーラ (著), 山形 浩生 (意訳)
- 朝日新聞社
- 2006/2/7
- ¥ 1,470
「論理的な正しさ」と「内容の正しさ」は実は無関係で、論理はいくらでも悪用することができます。本書は米国の高校教師が、論理の「悪用のしかた」約150種類をまとめ、わかりやすく解説した本です。
「世の中のすべて」は大げさだとしても
「オレ様」(茶々入れ)の周りは、常に会話でコミュニケーションをとっていて、互いの価値観や趣味嗜好も分かっている。コメントを得るにも、過去の言動からおよその察しはつく。言われてみれば、「何も言わずとも考えていることが通じ合う」に近いかもしれない。
敵ばかりが多いhidew氏には羨ましかったのかな。
その「仲間たち」数十名(渡り歩いた以前の職場を含めれば数百名)は、「世間」ではいちおうインテリといわれる部類に属する。「オレ様」に対し学歴コンプレックスとの評もあったが、職場の構成員は、容姿をちやほやされて喜ぶ、漢字もロクに読めない上司泣かせの常識知らずの「女子アナ」とさほど遜色ない。
というわけで、われわれ放送の素人でも務まってしまいそうな、日本語の牙城などという意識の欠片もないアナウンサーなら、いっそ「おネエちゃん」で十分だろう。