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hidew 2009.05.01

#1764 なんでも複雑化したがる人

私が嫌悪しているタイプに「なんでも複雑化したがる人」というのがいる。典型的なのは霞ヶ関の官僚や与謝野馨大臣(この人も碁を打つ)である。

http://tak-shonai.cocolog-nifty.com/crack/2009/02 ..

財務・金融・経済をまとめて担当することになった与謝野馨さんだが、(ラジオに出演して)「今は大変な時期だ」 「政治や経済は、そんなに単純なものじゃない」などと、当たり前の話をもたもたと繰り返すのみで、意味のあることは何も語らなかったのである。
複雑系を認識することは結構だが、政治家がその中に埋没したことしか言わないのは、少なくとも時流には合っていない。

  • 時期尚早だ。
  • 問題は複雑だ。
  • 厳密な議論を。
  • 必ずしも最善とは言い難い。
  • 絶対に安全とは言えない。

この種のもっともらしい言い訳をかましながら、結局なんの案も出さず、決断もしない。囲碁で言えば「難解な局面だ」「最善手が分からない」と言って、最終的に着手をしない、ようなものだ。

摩天楼夜想曲 拙速だろうが、粗雑だろうが、政治やビジネスの世界で求められるのは、「答え」(=着手、実行)なのである。

答えを出すためには、複雑な事象であっても、何らかの単純化をしなければならない。「なんやかんやで」答えが天から降ってくる天才はいるかもしれないが、そういう人は説明をしないけど、答えは持っている。私が嫌悪している「複雑化したがる人」というのは「何もしないこと、何も言わないことの言い訳に複雑さを持ち出す人」である。

「複雑だ」「難解だ」と騒ぐだけなら、オウムでもできる。

信長と囲碁~なぜ織田信長は囲碁を打っていたのか?

複雑性が高い経営の世界から、無駄なものを省いて単純化したあとには、囲碁盤の黒石と白石の世界が残った

複雑な事象から本質を抽出する能力が「知性」というものである。

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