Amazon オススメ商品

hidew 2008.08.09

#1705 破綻するNPTと『沈黙の艦隊』

中日新聞 2008-08-07 より

核兵器 NPT 米国の対応
イラン 開発意図なし 加盟 国連安保理の3度の制裁に加え独自制裁。
北朝鮮 核実験実施 脱退宣言 テロ支援国家指定解除へ手続き。
インド 核保有 非加盟 原子力で技術協力。

jpg 5314 byte もはや、NPT(核拡散防止条約) に「理」はない。そもそも米ロ英仏中の五ヵ国を例外とするところからして、歪んだ条約なので、最初から筋は通っていなかったと言えるが、イランとインドに対するアメリカのダブルスタンダードはあまりにひどい。

日本がいくら核廃絶を唱えても、現実は逆に進んでいる。それならば、『沈黙の艦隊』が提起した「核兵器を廃絶に向かわせる核兵器」を真剣に考え、現実を直視した政策をとる方が賢明ではないか。

沈黙の艦隊 - Wikipedia

最大のテーマは、世界政府創設と恒久平和の実現というカント以来の政治学的課題であり、また核廃絶の手段として、「もしも、どの国家にも属さない原潜艦隊が、あらゆる核保有国のうち一国でも核攻撃を行った場合に対する核報復宣言をしたら、それは究極の核抑止力であり、地球上から核戦争はなくなるのではないか。」という問題提起であり、その役を担ってきた米国は当然海江田を核テロリストとして抹殺しようとする。
「国家とは何か」「人類は戦争を防止する国際システムを作れるのか」「国連の存在意義はあるのか」などであり、現代の世界政治、軍事と言う複雑な事態を作品で演出し背景となされている。

いかなる核攻撃に対しても、核報復をする
(それ以外では絶対に使用しない)
LittleEden
という宣言のもとに、日本は「沈黙の艦隊」を装備したらいい。

「テロはよくない」とオウムのように唱える人がいるが、アメリカや中国のような大国の横暴に対して、他にとりうる対抗手段は何があるのだろう。ラサ(チベット)やカシュガル(ウイグル)で起きたレジスタンスは悪なのか、『沈黙の艦隊』で核テロリストとされる海江田は悪なのか。

夢や理想を語って平和になるなら、世界はとっくの昔に平和になっている。大国はルールというタテマエさえ守ろうとしない。弱小勢力が力で抵抗することを一概に否定するべきではないのだ。

関連記事

関連

核拡散防止条約 - Wikipedia

核不拡散条約(Nuclear Non-Proliferation Treaty = NPT)は、正式名称を核兵器の不拡散に関する条約と言う。アメリカ合衆国、ロシア、中華人民共和国、フランス、イギリスの5カ国以外の核兵器の保有を制限し、核軍縮を進めるための条約のひとつである。元は第二次世界大戦の敗戦国であった日本とドイツの核武装を阻止する為に提案されたものである。

国際原子力機関 - Wikipedia

国際原子力機関(International Atomic Energy Agency, IAEA)は、原子力の平和利用を促進し、軍事転用されないための保障措置の実施をする国際機関である。本部の所在地はオーストリアのウィーン。

相互確証破壊 - Wikipedia

相互確証破壊(Mutual Assured Destruction, MAD)とは、核戦略の重要な概念。
核兵器を保有して対立する陣営のどちらか一方が相手に対し戦略核兵器を使用した際に、もう一方の陣営がそれを確実に察知し、報復を行う事により、一方が核兵器を使えば最終的にお互いが必ず破滅する、という状態のことを指し、互いに核兵器の使用をためらわせることを意図している。

*