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hidew 2008.08.01

#1701 テレビと決別する日 2011.07.24

三年後、2011.07.24 テレビのアナログ放送が終了し、地上波デジタル放送(地デジ)に移行する。

アナログ → デジタルの流れは、レコード → CD がそうであったように、利用者にも利便性をもたらすが、「美しい映像」「多チャンネル化」は良し悪しである。

jpg 7401 byte 映像が美しくなると、その代償として、奇怪な著作権保護機構を受け入れなければならない。また、手品の種や芸能人のシワなど、見えなくてよいものまで見えてしまう。

チャンネルが増えても、ヒット企画を真似したバラエティ番組(なんとなく語義矛盾)が増えるなら無意味である。現行でもチャンネルは多い。NHK, テレ東系, その他, の3チャンネルに統合してもよいくらいだ。

ここまで書いてきてふと思う。

そんなにテレビが見たいのか。

大食い、オカマキャラ、インチキ占い師・霊媒師、一発芸の使い回し、ヤラセによる演出、イジメまがいのお笑い、… 不快なコンテンツが出てくる度にチャンネルを変えていた。

今までテレビを見てきたのは「そこにテレビがあったから」だ。地デジとともに、アナログ停波となれば、環境としてのテレビはなくなる。これは、テレビとの縁を切るチャンスかもしれない。

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地デジの非常識 - 池田信夫 blog

それでも「最後は30〜40万世帯が残るので通信衛星(CS)でカバーする」という。それなら最初からCSでやったらどうかというと「ローカル民放がいやがる」。

アメリカでは、ローカル局もCSにチャンネルを持っている。それなら年間数千万円で1チャンネル借りられるからだ。しかし、それを言い出したら、そもそも地デジがまったくナンセンスだということが露呈してしまうから、今さら路線転換できないのだ。

こうした非常識な計画に冷水を浴びせたのが、小寺信良氏の報告だった。彼によれば、アナログ放送をやめたフィンランドでは、これをきっかけにテレビを捨てる人が大量に出て、国営放送の受信料収入が大幅に落ち込んでいるという。MIAUのアンケート調査でも、「ダビング10など使いにくい地デジは見ない」という答が多く、「2011年にアナログ放送が止まったらどうするか」という質問に対して、ほとんどの人が「テレビは捨てる」と答えたという。Werbachもいうように、2011年はテレビという20世紀のレガシーに縁を切るいい機会だろう。

新しく地デジなんてやるより、既存の放送と通信の融合を目指す方が有意義で安上がりだ。

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