#1684 フィッシャー方式対応デジタル対局時計(シチズンTIC)
シチズンTIC、4カ国語の音声読み上げができるデジタル対局時計
シチズン時計の子会社、シチズンTIC(本社:東京都小金井市)は、日英韓中の4カ国語の音声読み上げに対応した対局時計「ザ・名人戦 DIT-40」を2008年7月7日発売する。囲碁や将棋、チェスなどの対局で使われる音声秒読み機能を搭載した時計。価格は1万1550円。
ゲームの進行管理を行うデジタル式対局時計「ザ・名人戦II」の後継製品。ブザー音に加えて、4カ国語の音声で時間を読み上げ、国際間の対局ができる。競技は「切れ負け」「秒読み」「フィッシャールール」「カナダ式ルール」「シャンチー国際ルール」の5種類に対応する。
この対局時計の売りは、「4カ国語の音声読み上げ」にあるようだが、個人的には「フィッシャー方式」対応が嬉しい。
フィッシャー方式の時間制
フィッシャールールというのは、「1手ごとに考慮時間を単純に加える」という方式である。これ以上何も説明が要らないくらいシンプルだ。
通常の秒読みも「1手ごとに考慮時間を与えられる」が、余った場合は切り捨てられる。これは「行政の単年度予算」と同じで、必要もないのに考慮時間をいっぱいまで消費したり、必要な時に長い考慮時間をとれなかったり、様々なムリ・ムダ・ムラが発生する。
フィッシャールールは時間を余らせた分を繰り越しできるので、考慮時間を柔軟に活用できる。
音声読み上げの意味
音声は電子音でも問題なかった。ただ、大会などで隣の警告音と混同してしまう問題があったので、種類が増えたことは意味があるかもしれない。日本人同士の大会で「英語読み上げ」「中国語読み上げ」を併用すれば、ある程度、隣の音と区別できる。
参考
http://item.rakuten.co.jp/nichieido/08070401/
競技モード(5種類)
切れ負け | 持ち時間が切れたら終了。 | 持ち時間30分 |
---|---|---|
秒読み | 持ち時間が切れた後、一手ごとの秒読み。 | 持ち時間30分 / 一手30秒が3回 |
フィッシャー | 持ち時間が切れたら終了。ただし着手ごとに一定時間が加算される。 | 持ち時間30分 / 着手ごとに30秒加算 |
カナダ式 | 持ち時間が切れた後、規定手数ごとに規定時間が繰り返される。 | 持ち時間30分 / 10手5分の繰り返し |
シャンチー国際 | 持ち時間内に規定手数をクリアした後、一手ごとの秒読み。 | 持ち時間60分(23手)/ 持ち時間15分(10手)が4回 / 一手30秒 |
※シャンチーとは、中国将棋の「象棋」のこと。
関連
ボビー・フィッシャー(Bobby Fischer, 1943年3月9日 - 2008年1月17日)は、シカゴ生まれのチェスプレイヤー。チェスの世界チャンピオン(1972年 - 1975年)。
1975年、防衛戦の運営をめぐり世界チェス連盟と対立し、不戦敗とされタイトルを剥奪される。その後、長くチェス界から姿を消していたが、1992年、突然復帰しユーゴスラビアでスパスキーと再現試合を行ない、勝利した。これにより300万ドル以上の賞金を得たが、アメリカのユーゴスラビアに対する経済制裁措置違反として起訴され、再び消息不明になる。この起訴をフィッシャー自身は、反ユダヤ主義発言と反米発言に対する政治的迫害であると信じている。
日本に在住との噂があったが、2004年7月14日、成田空港からフィリピンへ出国しようとしたところを入国管理法違反の疑いで東京入国管理局成田空港支局に収容された。同年8月、かねてより親交のあった日本チェス協会事務局長の渡井美代子と結婚を宣言した(入籍はしていない)。
その後、アメリカ政府は身柄引き渡しを要求したが、フィッシャー側は拒否していた。2005年3月21日アイスランド政府がフィッシャーに対して市民権を与える措置をとったため、日本政府はフィッシャーのアイスランドへの出国を認めた。以後はアイスランドに滞在していたが、2008年1月17日に64歳で死去したことが、現地メディアにより報じられた。
フィッシャーといい、カスパロフといい、なぜかチェスの名人は強硬な反体制で、政治的にややこしいことになる。ある意味「普通の人ができないことを平然とやってのける。そこに痺れる!憧れる!」と言いたくなる人たちだ。