#1681 (てすと)高橋和の四方山話「将棋と囲碁」(てすと)
第1回 まずは興味を持ってもらおう - 高橋和の将棋を学ぼう / Slownet SNS
和の四方山話「将棋と囲碁」
第一日目のタイトル戦控え室、そこで目にする光景を将棋ファンが見たら、きっと不思議に思われるかも知れません。何故なら本来部屋の中央に置かれているはずの将棋盤が隅に追いやられ、人が取り囲んでいるのは囲碁盤のまわりばかり。あれ?間違って囲碁のタイトル戦に来てしまったのかな、と思うほどですが、そこにいる人たちにとってはこれが自然な光景なのです。
将棋と囲碁、この二つはよく同義語のように扱われますが、私から言わせてもらえば対義語に近いくらい全く感覚が違います。将棋は王様を取るか取られるか、つまり1か0のゲーム、囲碁は40対50などの陣取り合戦。
「仕事が将棋なのにどうして休みの時くらい頭を休めないのですか?」
とよく質問をされることがあるのですが、私たち棋士はこれでも頭を休めているのです。何故ならゲームの性質が違うので、使う脳の場所も違い、リラックスするのにはもってこいというわけです。(これは囲碁を始めてから驚くくらいに実感しました)確かに傍から見れば理解に苦しむかもしれません。しかしこれが棋士の悲しい性、勝負からは寝ても覚めても離れることができないのです。
大学囲碁部の合宿で繰り広げられる光景もだいたい似たようなもので、囲碁を打っていない時は、たいてい麻雀か花札かトランプをやっている。将棋セットがあれば一局始まることもあるし、碁石を使ってオセロを打つのも「あるある」である。どんだけ、勝負事(ボードゲーム)が好きやねん!?
将棋と囲碁の最も大きな違いは、和さんが書いているとおり、
- 将棋 dead or alive
- 囲碁 49 対 51
であるが、一旦、囲碁に転向してしまうと、将棋には戻れないような気がする。将棋は「死にたくなければ、殺せ」という世界である。囲碁に喩えると常にセメアイを戦っているようなものだから、気の休まる時がない。
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# 文庫: 336ページ
# 出版社: 講談社 (2005/8/12)
# ISBN-10:
# ISBN-13: 978-4062750882
# 発売日: