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hidew 2008.06.23

#1671 悪魔の辞典「死刑制度・代理出産・臓器移植」

  • 死刑制度
  • 臓器移植
  • 代理出産

重大な倫理を内包する問題であるが、日本では無条件に肯定されること(思考停止とも言う)が多い。これらを是認する前に一度、深く考えてみるべきだ。

死神の仕事 - 玄倉川の岸辺

法務大臣は、死刑囚にとっては死神と同じだ。
..
(臓器移植の)「人間の肉を利用する」本質はカニバリズム(人肉食)と変わらない、.. 移植治療を肯定するには、「移植はカニバリズムだ」という批判にたじろいではいけない。
..
「代理出産」の本質は女性を産む機械として使い捨てることであり、寄生出産と呼ぶほうが正しい ..

死刑制度
国民およびその代表(法務大臣)が死神になる制度。
臓器移植
人肉を部品として使用する医療。カニバリズム(人肉食)に近い。
代理出産
女性を産む機械として利用する。寄生

玄倉川さんが書かれているとおり、死刑制度を肯定するなら自らが「死に神」になる覚悟をしておかなければならない。

防腐剤 今回の「死に神」騒動(#1670 )で、図らずも露呈したのは死刑肯定派が死刑制度の本質を理解せず、死神と言われる程度の覚悟もできていないことである。

「死神は言いすぎ」だと感じるなら「死刑がやりすぎ」なのだ。

物事は表と裏の両面(とくに見過ごされがちな裏面、負の側面)を見なければならない。

代理出産と臓器移植についても同様である。

#1432 臓器移植の違和感 (2006.10.13)
例えば「重度の心臓病をもって生まれてきた子どもの心臓以外の臓器を他の人に移植すること」を考えてみる。「どうせ死にゆく命なのだから、他人の役に立った方がいい」と考えるのが何を意味するのか理解できるはずだ。

「これから生きようとする命を救うべきだ」という一見、美しい人道主義のもと、死にゆく命の尊厳が踏みにじられる。この醜悪なエゴイズムこそ臓器移植の正体である。

それでもなお、臓器移植を望む人はいるだろう。
必要なのは「醜悪なエゴ」「背徳」の覚悟である。

島谷的舞録゛@seesaa: 代理出産と臓器売買

Posted by hidew at 2007年04月15日 (コメント欄に私が投稿)

「女性は子供を産む機械」を堂々と実践するのが代理出産です。今回の一件は柳沢発言よりもはるかに深刻な問題をはらんでいます。

下記の二点で臓器売買と代理出産は同じです。

  • 人間を機械のように取り扱っている。
  • 目的のためなら手段を選ばない。

向井夫妻は「子供を授からない」という点では非常に気の毒ですが、海外の女性を「産む機械」として利用した点では加害者ですし、アウトローな選択をしておきながら、法的認知を求めるという点で支離滅裂です。

戸籍云々の前にそもそも代理出産を認めるべきなんでしょうか。
戸籍取得のバッドノウハウは事態を複雑にするだけだと思います。

それでもなお、代理出産を望む人はいるだろう。
必要なのは「醜悪なエゴ」「背徳」の覚悟である。

*

[anonymouse] 2008.06.23 [1]

[刑事法の諸問題]「死神」よりも「悪魔」となることを恐れる

死刑の執行を歴代と比べて比較的頻繁に行う鳩山邦夫法務大臣に対して、死神という言葉をぶつけた朝日新聞の素粒子に対し、鳩山法務大臣が抗議をする騒ぎになっています。 永世死刑執行人 鳩山法相。 「自信と責任」に胸を張り、2 カ月間隔でゴーサイン出して新 記録達成。

玄倉川の岸辺 2008.06.23 [2]

死神の仕事(2)

前の記事を読み返したら冗長すぎて嫌になった。本当に文章が下手だ。
整理して書き直してみる。

一見すると死刑囚とそれ以外(私やあなた)の立場はまったく違うように思えるが、「生と死」の問題だけ考えると実はあまり変わらない。

一般人
 ・ 自分と周囲の人々は「いつか必ず死ぬ」運命だと知っている
 ・ だが「死が訪れる順番」「自分はいつ死ぬのか」は知らない
 ・ 誰が、いつ死ぬかを決める想像上の存在は「死神」

死刑囚
 ・ 自分と周囲の死刑囚は「いつか必ず首を吊られる」運命だと知っている
 ・ だが「死が訪れる順番」「自分はいつ死ぬのか」は知らない
 ・ 誰が、いつ死ぬかを決める現実の存在は「法務大臣」

死刑制度がある限り法務大臣は死刑執行命令への署名(死刑メカニズムの安全装置解除・作動スイッチオン)を求められる。自らの判断において「スイッチを入れるか、入れないか」選択しなければならない。辛い選択だが、辛いのはそれが「死神の仕事」だからだ。
死神の仕事をする者はどうしても死神のように見える。「13件の執行命令を出した法務大臣を死神呼ばわりしてはいけない」と言うほうが無理である。
「死刑執行命令に署名する仕事」と「死神の仕事」はマジンガーZとテコンVよりも似ている。

「死神の仕事」の心理的負担を減らすためにベルトコンベア式とか死刑執行員制度といったアイデアは出ているが根本的な解決にはならない。

 ・ 死刑メカニズムを機能させるには誰かが「どの死刑囚を、いつ吊るか」決める必要がある
 ・ 決定を誰に(裁判官・政治家・官僚・一般人)委ねるとしても、決定者は「死神の仕事」を果たすことになる
 ・ 言論の自由がある限り執行命令を下した者への死神呼ばわりを禁止するのは無理
 ・ 無理を通せば道理が引っ込む

今回の「死神」騒ぎは死刑制度の実体から目をそむけた言葉狩りでしかない。「Voice of Stone」hidewさんの言葉を引用する。

  「『死神は言いすぎ』だと感じるなら『死刑がやりすぎ』なのだ。」

まったく同感である。

急に話はオカルト方面に向かう。
仮に死神が実在していたら「人間が死神の仕事を代行すること」を怒るだろうか、それとも喜ぶだろうか。
戦争・虐殺・天災・疫病の歴史を見ると死神はとても仕事熱心だ。「俺の仕事を横取りするな」と怒りそうな気がする。