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hidew 2008.06.05

#1663 「たばこ1箱1000円」の議連に期待する

増え続ける医療費に対応するために、政府は「後期高齢者保険」や「メタボリック検診義務化」などの施策を捻り出したが、どれも筋が悪い。「100年安心の年金改革」と同じく、先を見ているようで見ていないから、何回も抜本的改革を行う羽目に陥る。

医療、年金などの社会保障は消費税を「福祉目的税」にして、税率で数字合わせをするのがシンプルで、持続可能な制度である。

ただし、消費税は弱者に優しくないという側面がある。生活必需品の税率を下げて、贅沢品の税率を上げれば弱者は保護されるが、何をもって必需品と贅沢品を分けるかという基準が難しい。牛肉やチョコレートは、日本において 贅沢品だろうか。ガソリンは必需品と贅沢品の二面性があって分類できない。さらにガソリン税は景気に対する影響が甚大である。

複雑な制度は、議論のコスト、徴税のコストなどを上昇させるだけで、お為ごかしの政治家や厄人を喜ばせるだけであろう。

制度が複雑にならず、景気に対する影響もなく、税収を増やしつつ、国民の健康増進になる(将来の医療費削減になる)いう一石二鳥の施策がひとつある。

合言葉は「たばこ1箱1000円」…超党派で議連発足(読売新聞) - Yahoo!ニュース

合言葉は「たばこ1箱1000円」…超党派で議連発足

自民、民主両党など超党派の国会議員が近く、たばこ税の引き上げを目指した議員連盟を発足させる。自民党の中川秀直・元幹事長らが呼びかけている。

議連は「たばこ1箱1000円」をキャッチフレーズに活動を始める予定だ。

中川氏自身はヘビースモーカーだが、たばこ税増税を消費税増税の回避策として考えている。中川氏は福田首相にもたばこ税の増税を進言し、首相も前向きな考えを示しているという。

民間の生保やシンクタンクは「たばこ1箱1000円」にしても、税収は下がるどころか、むしろ上がるという試算を2、3年前に出している。

この政策の良いところは、もし仮に、たばこ税の値上げと禁煙の関係を読み違えて、税収が減っても、医療費が減る分で相殺されるため失敗にならないことだ。火災が減る、街がきれいになる、ご飯が美味しくなるなど数字には表れないメリットもある。

#(一応、公平のために言っておくと、ニコチン依存症の人が生産性を落とすというデメリットもある。)

どう転んでも、大失敗ということはないのだから、とりあえず 100円ずつでも試してみればいいが、たばこ税は今まで10円上げるのに大騒ぎするような聖域だった。理由として考えられるのは3点である。

  • たばこ産業と厚生官僚、厚生族の癒着
  • 与党の有力者がヘビースモーカー
  • 国民の半数近くが喫煙者

自分が損する「たばこ税の値上げ」は避けたい、というのが喫煙政治家の本音だろう。情けない話だ。

議連が動き出したことで、「たばこ1箱1000円」の政策に少し希望が見えてきた。とくにヘビースモーカーでありながら議連を牽引する中川秀直・元自民党幹事長には期待したい。

「たばこ1箱1000円」が実現した暁には、未成年者の喫煙規制(taspo)も撤廃する。未成年者の喫煙は親が金を出すのだから、喫煙の可否は家庭で決めればいい。国家の視点で見れば、命を削って多額の税金を納めてくれる世帯は「お客様」である。喫煙で早死にすれば年金財政もプラスになる。

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hidew 2008.06.06 [1]

【正論】9兆5千億円の新たな税収 たばこ「1箱千円」への値上げを | 日本財団

1箱1,000円に値上げした場合の1本当たりの価格は約15円から50円に上がり現在の消費量で単純計算すると、これに伴う税収増は9兆5,000億円の巨額に上る。仮に喫煙率、消費量が3分の1に落ち込んだ場合も3兆円を超す税収増が見込める計算で、新たな財源として消費税より先に議論すべきテーマでもある。

この場合、販売価格の90パーセントは税金。たばこは「高級な嗜好品」となり、ほぼ間違いなく未成年者の喫煙は抑制できる。

たばこと同様、心地よい覚醒感を売りにするコーヒーも安いところで1杯250円。冷静に双方を比較すれば、至福のひと時を与えるたばこの1本50円は決して高くはない。

hidew 2008.06.23 [2]

中原英臣「1000円たばこ」は1石6鳥

【正論】新渡戸文化学園短期大学学長・中原英臣「1000円たばこ」は1石6鳥 - MSN産経ニュース

たばこを1箱1000円にすることは、国民にとっても国家にとってもいいことずくめで一石六鳥になる。

  1. たばこの栽培農家とJT(日本たばこ産業)の利益が増える
  2. 青少年の喫煙率が減少する
  3. 税収が増える
  4. がんや心筋梗塞といった生活習慣病が減る、医療費を削減することができる
  5. 火事が減る
  6. 多くの国民が健康になる

公的医療保険や民間の生命保険の負担は、心筋梗塞やがんになるリスクが高い喫煙者と、そうでない非喫煙者の間に差がない。このことは喫煙者のリスクを非喫煙者が負担していることを意味する。こうしたことを考えるなら、喫煙者もたばこを1000円にすることくらいは受け入れるべきではないだろうか。