#1656 四川大地震と中国の悲しい現実
大災害が起きたとき、指導者が自ら乗り込むのは、被災状況を把握し、組織を動かすためには必要な行動だ。普通の国であればそんなに違和感のある行動ではない。
しかし、中国の場合はやはり何か別の意図を感じてしまう。普段から、言うこととやることが一致しない上に、人命が家畜並みに軽い国だから、「最後まで諦めず、頑張りましょう」と言っても、どこか空々しく聞こえてしまう。
温家宝首相は未曾有の惨状を目の前にして饒舌だった。超人的な精神力か、人間性の欠如か。空気を読まない勢いだけの言葉が次々に出てくることを考えると、後者だろう。テレビカメラに向けたパフォーマンスである。
首相の言動に呼応して「素晴らしい」「立派だ」「感動した」などと言っている中国人民も何か薄気味悪い。なにかある度に体制の称揚を習慣づけられてきた国民だから仕方がないのかもしれないが、事態の深刻さを理解するよう努めて欲しかった。
被災者が支援物資奪い合い、運搬中の車に殺到…四川大地震(読売新聞) - Yahoo!ニュース
14日午後3時ごろ、この地区の幹線道路沿いに住民約100人が集まり、「災害支援」と書かれた横断幕をつけたトラックを無理やり停車させ、.. 住民たちは、その後も車を止めては物資を奪おうとした。一部は支援のトラックが停車したすきに荷台に入り、支援関係者から引きずり下ろされた。制止に入った公安車両の窓ガラスを飲料水の容器でたたく住民もいた。
住民の一人は「被災者なのに誰も助けてくれない。(奪って)何が悪い」と怒りをあらわにした。
悲しいかな、これが中国の現実。
- 政府が「皆さんを助けます」と言っても住民は全く信じていない。
- 住民同士みんなで助け合おうという知恵もない。
この期に及んでまだ「自分さえ良ければいい」という短絡的行動を続けている。
四川大地震:救出打ち切られ、親が手で…都江堰の中学校 - 毎日jp(毎日新聞)
.. 都江堰市の聚源中学校では、朝になっても救出作業は始まらなかった。.. 地震発生から「72時間」が経過した午後も、生徒の親たちは手作業で懸命にコンクリート片を取り除いた。
午前9時過ぎ。成都市の疫病コントロールセンターの白いワゴン車が到着。遺体が多数埋まっている場合、感染症が発生するおそれがあり、白衣を着た職員が校舎のがれきに向かってホースで消毒液の散布を始めた。
「最後まで諦めない」と言っていた政府の、わずか3日後の行動がこれ。
時事ドットコム:72時間過ぎると生存率1割弱=阪神大震災で裏付け−消防庁
24時間以内で80%の被災者生存率は、
48時間までは30%未満に低下。
72時間以内は15〜20%となり、
これを過ぎると10%を割り込むという。
72時間経過した時点で、まだ 1割も 希望が残されている。