#1635 「本の贈答」について考える
本を人にあげることは本当に難しいと思う。プレゼントはみんなそうなのだけれど、自分の引き出しの中から、相手に合わせたものをチョイスするのは本当に難しい。本は特に精神的なものになってくるのでよけいだ。
本は「既に持っている」か「読みたくない」かのどちらかであることが多い。どちらもプレゼントされたら困るケース(表の×印)である。
* | 読みたくない | 読みたい |
---|---|---|
持っていない | × | ○ |
持っている | × | × |
「読みたいけど持っていない本」というのは稀である。本当に読みたければ買う(借りる/立ち読みする)し、買わないということは「実はそれほど読みたいわけではない」ということだ。
本をサプライズ的にプレゼントして喜ばれるには、本人に代わって「未知の興味深い本」を探し当てなければならない。それはたいへん難しい。困難を極める。(一冊の)本をプレゼントするのは無理筋に思える。
どうしても本をプレゼントしたければ「参照渡し」にしたらどうだろうか。つまり「題名」や「書評」を手紙に書いて贈るのである。「なぜオススメなのか」という理由の部分がプレゼントの肝なのであって、(全国どこでも均一価格で買える)現物はそれほど重要ではない。
無難なプレゼント
- 保管に困らない。
- 重複して持っても気にならない。
- 万人のセンスがだいたい一致する。
無難なのはやはり、飲食物、植物、洗剤、の類である。本 や CD はプレゼントとしては「難」がありすぎる。
本を贈っても良い場合
- 古本屋に売るつもりの本を段ボール箱に詰めて。(処分をまかせるような感じで)
- 稀少な古本。市場で入手困難な本。本人がそれを欲しがっている場合。
- 親→子、先生→生徒、上司→部下、教祖→信者 - 「読め」という強制。
- いわゆる「献本」 - 著者・出版社から関係者へ。