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hidew 2007.10.22

#1600 文化遺産としての TV番組

ゆんフリー写真素材集 TV番組を視聴するのは時間的にも、地域的にも、ものすごい制約がある。「あの番組面白かったよ」と放送が終わった後で言われても「後の祭り」だ。10年前の番組を見たくてもビデオテープが劣化していたり、そもそも見つからなかったりする。

TVの特殊な事情に対応するために、下記のような製品が発売されたこともあるが、これらは庶民のやることではない。

ソニー、7ch同時録画対応のPCベースレコーダ「VAIO type X」
http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20041005/sony1.htm

ソニー、キーワードで自動録画予約できるHDD録画機
http://www.nikkeibp.co.jp/archives/180/180223.html

YouTube や ニコニコ動画は「見逃したTV番組はプレイバックできない」という状況を一変した。

ニコニコ動画で「羽生対中川」戦を見た(コメント欄)

窪田義行 『.. 日本国内でも問題コンテンツのアップロードが久しく問題となっている件は、ご承知の事と存じます。.. 向後は今少しご配慮下さいます様、謹んでお勧め申し上げます。ご無礼の段は恐縮に存じますが、今後とも将棋界をどうぞ宜しくお願い申し上げます。』

umedamochio 『NHKにとって将棋番組の映像などロングテールもロングテール。そういうロングテール映像については、特に今回のような素晴らしい内容が生まれた場合、「最善手」は、その映像をNHKが自らサイトで無償公開してファンを増やす(需要を増やす→視聴率を上げる)ような動きをするのが合理的判断と考えます。「次善手」が黙認なのだと思います。そういう考えから、特にニコニコ動画を見たことを隠しませんでした。』

文化遺産ともいうべきコンテンツが、ごく一部の人(番組をリアルタイムで視聴・録画した人)にしか知られることなく、埋もれていくのはあまりにもったいないと思う。

民放のブロードバンド配信はスポンサーとの契約など、いろいろややこしい問題があるが、少なくとも NHK は、公共性の観点から、ネット配信を推進すべきだと思う。

DVD として発売されるものは別にして、他の埋もれがちな番組は、PPV(Pay Per View : 番組単位で課金)でもいいから、なんらか視聴の手段を提供することは必要であろう。それもしないまま、ただ、YouTube や ニコニコ動画 を非難するのは全てが後ろ向きだ。

もちろんコンテンツを闇に葬り去るのも著作権者の権利ではあるのだけど、価値の高いものをわざわざ埋没させることはない。ロングテール(多様な少数派)で商業的な流通が難しければ、公共財として提供してくれればいいのに、と思う。

梅田さんがニコニコ動画で「羽生対中川」戦を見たという話。 - 日々、とんは語る。

.. NHK杯を見逃した人はどうすれば映像を見ることができるのでしょうか?
.. NHKの方針というのは、コンテンツを埋没させる事なのでしょうか。
販売するなり、配信するなり、方法は何でもいいんで、とにかく「見れない」から「見ることができる」状態にして欲しいわけですよ。

同感。

テレビはうっかり見逃したときの「見られない」というストレスが大きすぎる。灰色のコンテンツをありがたがっているのは貧乏人だけではない。

Links

利害関係者〜あるいは、たまにはRimoのことも思い出してあげて下さい〜 - 真夜中は別の人
http://d.hatena.ne.jp/yetanother/20071019/1192802161

Party in Preparation: 梅田アマ初段vs窪田六段
http://partyinmylibrary.cocolog-nifty.com ..

梅田さんと窪田棋士とニコニコ動画 - あかさたの日記
http://d.hatena.ne.jp/akasata/20071019/1192780582

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hidew 2008.01.12 [1]

NHKが2008年中に有料で過去の番組をネット配信 - GIGAZINE

1つめの有料サービスは「アーカイブサービス」、過去に放送されたNHKのドラマやドキュメンタリー番組などが対象。

2つめの有料サービスは「見逃しサービス」というもので、放送終了後から1週間程度、ネット経由で視聴できるというもの。

NHKが良い方向へ動き出した。