#1581 お笑いの「空気」を考える。
お笑いの題材には2種類のハプニングがある。
- 予定されたハプニング
- 本当のハプニング(予期しない出来事)
本当のハプニングを笑いに変えるには、それなりの技量(即興力)が必要である。
ところが、ハプニングに対処できないくせに、素人やキワモノ芸人を自由に泳がせて「空気を読め」という圧力によって、自分の思い通りの笑いを作ろうとする司会者(芸人)、番組プロデューサーがいる。これは下手すぎるだろう。
お笑いの文脈における「空気を読む」という言葉はしばしば、面白くなかったことの責任転嫁として使われている。
例えば囲碁においても「相手が定石通り打ってこないから腹が立つ」という中級者がいるが、それと同じことである。
「裏切り、どんでん返し」がお笑いの本質であり、想定外のリアクションもまた、お笑いにつながる。フリートークという形をとっていながら「空気」という名の台本によって無理矢理型にはめようとするのは中途半端なのだ。
笑福亭鶴瓶の番組
笑福亭鶴瓶の きらきらアフロ と 鶴瓶のスジナシ! は「空気」を考える上でいろいろな題材を提供してくれる。
「きらきらアフロ」 -- オチがなかったり、お客さんを置いてけぼりにして暴走したり、ハチャメチャだけど、「凡庸な若手芸人の言う空気(笑いの定石 or 禁忌)」が存在せず清々しい。この番組は文字通りの「フリートーク」と言えるだろう。
「スジナシ」(中部ローカル) -- ゲストの俳優と鶴瓶がぶっつけ本番のミニドラマ収録に臨み「場の空気」によってストーリーを即興で決めていく。究極の「空気を読む力」「空気を作る力」が試される過酷な番組である。緊張の演技中に本当のハプニングが発生し、笑い(弛緩)が生まれる。
小島よしお と伊吹吾郎の名演
YouTube - 【ペットボトル】小島義雄・環境野郎Dチーム 7_15
「場の空気」をテーマにしたお笑いの傑作。
小島よしお もすごいけど、表情一つ変えない 伊吹吾郎 の演技が見事である。
小島よしおがいつも通り「オーシャン・パシフィック・ピース」と答えた後、伊吹吾郎が「……、なるほど」と言うまでの間の取り方も絶妙でしびれる。
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「空気を読む」という言葉を流行らせてしまったことによって、芸人が楽出来ている、もしくは楽することが許されてしまったことが原因だと思います。
