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hidew 2007.08.19

#1570 軍部の暴走

池田信夫 blog 日本の統治構造

防衛省の事務次官人事をめぐるドタバタは、「痛み分け」に終わったようだが、これは笑ってすませない。そもそも事務次官の任命権は防衛相にあり、次官がそれを拒否する権利はない。それなのに次官が官邸に「直訴」するのも異常なら、官房長官がその言い分を認めて話を白紙に戻すのも異常である。それを首相が傍観していたのも、何をかいわんやだ。

事務次官は「背広組」とはいえ、24万人の自衛官を統率するトップだ。それが閣僚の決定に公然と反旗をひるがえす重大な事態に官邸が曖昧な態度をとったことは、文民統制も危うくする。

jpg 7717 byte 大臣に反旗を翻す事務次官の存在は、よく知られているが、防衛省に関しては見過ごせない問題がある。今回のドタバタで文民統制 がもはやタテマエでさえないことを露呈してしまった。軍部の暴走だ。

守屋武昌という事務次官は、一体何様のつもりだったのか、それを考えると背筋が寒くなる。

防衛庁が防衛省に昇格したことによって官僚が増長しただけではないのだろうか。文民統制のためには、一段低い位置に置いておくべきだった。

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