#1549 カンニングペーパーを作るという勉強法
大学の時に、「メモ(A4判1枚)の持ち込み可」という試験をする教授がいた。要するに「堂々とカンニングしていいよ」というわけだ。条件が2つ。
- 自筆であること。
- 試験で使ったカンニングペーパーは提出すること。
「学習の本質」を問う上手い方法である。
カンニングペーパー CheatSheet は実際に作ってみれば分かるが、あーでもない、こーでもない、とこねくり回しているうちに覚えてしまって、情報を差し替えることになる。新しい情報に関しても、最適な記述を模索しているうちに覚えてしまって…… 振り出しに戻る。
つまり、カンニングペーパーを作ること自体が、極めて効率の良い学習になっている。
Say::So? - ノート関連の話をちらちらと読みながら思ったこと
小中学校のときノート提出というのがあった。小学校はおそらく板書をちゃんと書き取っているかということを確認するため
ノート作成の有意義さについて理解させたいなら実際に有意義であるという体験をさせねばならない、と私は思う。授業ノートを使わねばできないような課題を出すとか。少なくともノート自体を評価するのではなくて、ノートを使って為したものを評価するようなことをする。
ノートそのものはネタ帳みたいなもので、先生のダジャレをメモしていたり、変な落書きがあったり、綾瀬メソッドを使っていたり するので本当は隠しておきたいものだと思う。「提出用のノート」ということを意識してしまうと、自分が本当に書きたいことを書けなくなって、学習の効率が落ちる。
「ノート自体を評価しない」のは、(生徒が)ノートを真に「脳の一部」あるいは「外部記憶装置」として活用するためには重要である。
冒頭の「カンニングペーパー持ち込み可の試験」は、ノート自体を評価するのではなくて、ノートを使って為したものを評価
にも合致する優れた方法だ。
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