#1521 柳沢厚労大臣「健全」発言の論理
予算委員会で柳沢厚生労働大臣の発言内容
若い人たちは結婚したい、子どもを2人以上持ちたいという(希望を持つ)極めて健全な状況にいる。
若者の健全な希望にフィットした政策を出していくことが非常に大事だ。
- 子どもを2人以上持ちたいと思うのは健全だ。
- 子どもを2人以上持ちたいと思わないのは不健全だ。
- 不健全ならば子どもを2人以上持ちたいと思わない。
(1) から論理的に導かれる正しい言明は (2) ではなく (3) である。
しかし、そもそも (1) の命題が正しいのかどうかも疑問だし、わざわざ脊髄反射ワードの「健全」を入れてしまうのは全く余計なことだった。誤解されるために言った としか思えないような内容である。
趣旨を汲んで、書き直すと、
若い人の結婚や子育てを支援します。
これだけのことだ。
安倍首相も柳沢厚労相も、内容がないのに無駄に長いから、どうでもいいところで誤解されたり、批判されたりする。
今にして思えば小泉前首相のワンフレーズは至芸だったなぁ。
主に政治家の「NGワード」
- 美しい
- 健全
- 正義
- 安心
- 常識
- 普通
- 誠意
#言葉でごまかすのではなく、態度や政策で示して欲しい。
関連
もっとはっきり「どう考えてもカネが足りなくなるから,子供を作れ」って言えばいいじゃん.「一人っ子政策の逆をやります」って.それで勝負.
「健全」だのなんなのってインチキなレトリックを使うから,本線から離れたところでもめるんだ.
同感。
人間だから言い間違いや失言は誰にでもあるが、柳沢氏は普段から逃げ腰なのに、それでもなお失敗するから滑稽なのだ。失言大臣の麻生氏を見習って、率直に言ってしまえばすっきりする。
一人っ子政策の逆
を 二人っ子政策 とでも名付けて、出産、育児、教育に関わる分野で、親を経済的に援助すればいいだけの話ではないか。
お金をケチってかけ声だけでなんとかしようとするから、インチキなレトリックにまみれてしまうのだろう。