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hidew 2007.01.16

#1507 2ちゃんねるのいやらしさ

2ちゃんねる型「正義感」のいやらしさ
http://www.kotono8.com/2007/01/13justice.html

「正義のいやらしさ」と「2ちゃんねるのいやらしさ」について詳しく書かれている。内容については概ね賛成だが、とくに気になる部分を拾ってみた。

正義のいやらしさ

「社会正義」を錦の御旗にするいやらしさについては、2ちゃんねるに限らず日本中、世界中で散見される。某軍事大国は「正義」を錦の御旗にして戦争ばかりしているし、日本の政治家や官僚は「国民のために」と言いながら、裏では利権を漁っている。

誰も反対しないような立派な御旗 (例えば「美しい国」というのはその典型) が掲げられたときこそ要注意である。

「正義のいやらしさ」は2ちゃんねるよりもっと大きな問題なので、とりあえず横に置いておく。

2ちゃんねらーの高揚感

2ちゃんねる的な人物にとって社会正義の「正義」の要素は重要ではない。重要なのは「社会」の要素だ。放火のような「事件」でも騒ぎが大きければいい。要は「自分が関わったことが大騒ぎになる、あるいは大騒ぎに自分が関わることで、自身の存在を確かめ、高揚感を得る」という心理である。

「世間を騒がせたい」という心理は、それが「正」の方向へ行けば社会的に真っ当なものだが、2ちゃんねる的な祭りはしばしば「邪」の方向へ進む。匿名かつ大勢罵倒を繰り返し、騒ぎを大きくするのだ。

#諸々の要素を考慮して「ネットイナゴ」という言葉が生まれた。言い得て妙である。

匿名の恥はかきすて

http://www.kotono8.com/2007/01/13justice.html

ニュース記事に一行コメントをつけて「ひどいですね」と書き記して、あたかも自分は「彼ら悪人とは完全に断絶された善男善女」であるかのごとく主張する。まったくもって反吐が出る。

その「一理」を、きちんと論理や事実を積み重ねて実証し、相手にも受け入れられるような形で提示していくという努力がまったく見られない。

一行の罵倒コメントを書いただけで、スッキリしているのは滑稽である。人のことを「バカ」とか「アホ」とか罵っておきながら、自分自身が一番「バカみたいなコメント」を書いている。

  • 「くだらない」
  • 「つまらない」
  • 「わからない」
  • 「これはひどい」
  • 「そんなことも知らないの」
  • 「バカじゃないの」
  • 「死ねばいいのに」

匿名批判者の語彙はこんなものである。匿名の恥はかきすて ということなのだろう。

仮想的有能感

自分自身はたいして有能でもないのに、他者を蔑視することで、優越感を感じてしまう心理を速水敏彦氏は「仮想的有能感」と称した。「正義感」を一皮むいたところにある「仮想的有能感」こそ、2ちゃんねる的な行動の源であろう。幼稚な文章と貧弱な論理の向こう側にある劣等感が、匿名空間を通じて「仮想的有能感」に昇華するとき、悪臭を放つ。

関連

4061498274 title:他人を見下す若者たち

  • authors:速水敏彦
  • publisher:講談社
  • media:新書
  • price:¥756

追記:2007-01-24

「そんな言い方誰もしない」と言い張るお子様たち

「そんな言い方誰もしない」と言い張ります。それはもう判で押したように、同じことを言うんですよ。

すごく興味深いのは、小中高どの学年でも、自分の回答が不正解だとわかった瞬間には狼狽またはがっかりした顔をしているのに、「そんな言い方誰も(略)」と言う瞬間にはものすごく人をバカにした口調になっていることです。つまり、この子たちは、一旦失われた自尊心を以下のようなプロセスで回復しているんだと思います。
.. 中略 ..
自分の無知を認める代わりに、「『みんな』と同じ自分が正しい」という主張でプライドを保とうとしているんでしょうね。

「そんな言い方誰もしない」と言っていた子が、何も成長しないで大人になると、ネットイナゴになってしまう。

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