Voice of Stone #1479 幻想の段級位

hidew 2006.12.01

#1479 幻想の段級位

日本囲碁界における段級位は強さを示すものではない。「プロ九段」も「碁会所初段」も単なる名誉称号である。

今まで、肩書きだけの人に対しても「お強いですねー」などと言いながら「段級位は強さの指標」という建前を維持してきた。形骸化した段級位であっても、維持すべき理由があるからだ。

日本棋院が管轄する「段級位」は心的要素（上記 1. 3.）が大きいので、そう易々と変えることはできないが、なぜか今頃になって「新段位制」「新大手合」が検討されているというので少し考えてみた。

http://plaza.rakuten.co.jp/nipparat/diary/200611290000/

プロを８段９段にしてその下にアマの段位をくっつけるという制度

この部分は「幻想の段級位」を継承しつつ、より分かりやすくしたもので評価できる。

実績の見積もりは既存の棋戦や年齢を考慮すればいい（タイトル経験者と40歳以上はとりあえず9段）

大手合は旧来のシステムを復活させても面白くない。将棋の順位戦のような演出をして、新聞社が興行権を奪い合うぐらいでないと、改革の意味はなさそうだ。

＃「新段位制」「新大手合」に関して日本棋院の公式文書を Webで探したけど見つからない。「あっち側」と「こっち側」の間に深く大きなキャズム（ハイテク活用の断層）がある。