#1361 詰碁集の編集
詰碁集の編集について、私の個人的な好み。
- 黒番統一。
- 答えは問題図の裏面に。
- 正解図、変化図、失敗図の順。
- 【正解】【失敗】など分かり易いキャプション
- 問題番号は通し番号で。
- 章(セクション)は分けなくてもいい。
- 結果(コウなど)を問題に書く必要なし。
- 「○分で○級」という難易度表示は不要。
- ハードカバーは不要。
- 図は小さくてもいい。
- ヒントは不要。
- できれば左上に統一。
好きな編集は『石榑詰碁傑作選』『寿石不老』『自強不息』
嫌いな編集は『加田克司傑作/衆妙』
章分けしていても問題が通し番号になっていればいいのだが、中途半端な章分けをした挙げ句、問題番号が途中でリセットされていると最悪である。そのような場合、問題番号はほとんど役に立たず、ページ数で問題を管理することになる。
『女流詰碁集』#616 のように章分け自体に失敗している例もある。あの本は一体何のために章を分けたのかさっぱり分からない。
『寿石不老』『自強不息』は章分けせず、連番で200問が並んでいるが、問題毎に漢字4文字の名前が付いていて面白い。
観賞用詰碁の場合、ヒントは「ネタバレ」である。鍛錬用詰碁の場合、ヒントは「甘やかし」である。詰碁は「必ず答えがある」ということが究極のヒントになっているのだから、解き始めた時点で既に8割以上解けていると言っても過言ではない。更にヒントを付け加えるのは余計なお世話、蛇足である。
加田詰碁集の最大の問題点は、重要な「正解図」が変化図などに埋もれて、見つけにくいことである。
詰碁集というのは、プロ向けには「問題図のみ」、アマ有段者向けには「問題図+正解図のみ」で成立するものだと思う。「変化図」とか「失敗図」というのは級位者向けのオマケなので、正解図より先に示すのは優先順位を間違えている。理系的プレゼンでは考えられない順番である。文系的には物語がグダグダに膨らんでいくのも一興だが…
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新しく出版された『張栩の詰碁』は、私の嫌いな編集になっていそうだ。張栩名人の創作詰碁は間違いなく一級品なんだけど、詰碁集を本として所有する価値があるかどうかは別問題だから、新刊では買わないかもしれない。
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