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hidew 2006.06.20

#1315 横内猛『囲碁が10倍おもしろくなる本』

昔、囲碁端会議室に投稿した内容

横内猛『囲碁が10倍おもしろくなる本』誠文堂新光社

最近、図書館で何気なく手に取ってみて、すごく面白かった本です。装丁や題名からなんとなく初心者向けの軽い内容(雑学や蘊蓄話)を想像していましたが、かなり本質的な内容を含んでいます。

碁の極意や勝負の機微について、棋譜をあまり使わず平明な言葉や例え話で説明されているので、棋力に関係なく読めます。当掲示板で議論されていた内容も多く含みますので、興味のある方は是非ご覧ください。

横内猛『囲碁が10倍おもしろくなる本』(誠文堂新光社)

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【要約・抜粋】

  • 囲碁は「地」ではなく「石」を囲うもの。地という概念は中国にはない。「石を囲う感覚」は例えるなら初段以上になった人たちの「秘伝のタレ」
  • 日本では「芸のある人」と「強い人」の2通りのプロがいる。本来ならイコールで結ばれなければならない。
  • 棋士は(精神的な駆け引きを含む)「勝負」をしているのであって、名局を作ろうなどとは考えていない。
  • 棋院は技芸を磨く職人達の同業者組合で普及を目指す組織ではない。当然、普及のための人材もノウハウもない。
  • プロ試験に不合格だった人を(韓国のように)囲碁の教師(=普及のプロ)として活用できないか。
  • 強い人はなぜか'ご'と言い、'いご'とは言わない
  • 本因坊より棋聖が上位に来るのはどうか?

囲碁マニアのツボに入るネタも満載。

現在「新刊で入手可能」という条件を入れれば、私もかなり上位でオススメしたい本である。この本は図書館で読み終わった後にわざわざ本屋で買った。

関連

http://blog.goo.ne.jp/kkm3/e ..

一年以上前に読んだ本だけに、本書を既に紹介したと思い込んで、紹介が遅れたのは不覚。
あるいは技術書でない故に、後回しにしてしまったのだろうか?
他の棋書を差し置いてでも、紹介すべき本であった。
..
本書は現段階で人に勧めたい本の中では5本の指に入る本。

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