#1228 切れ負け制問題・別の側面
切れ負け制の終局間際に起きる問題
- 石を交点に置かない。
- アゲハマを碁笥の蓋に入れない。
- 対局時計を同時に強く押しすぎる。
理屈の上からは「石を交点に置かないで時計を押すのは不正行為」だし、「碁笥の蓋に入っていないアゲハマを整地の時にカウントしてはならない」ということになるだろう。
しかし、アマ棋戦の審判は形式だけのいわば「お飾り」で、上記の行為を咎めることは現実的に難しい。
ルールを論じる時は、論理・合理性の他に、運用面での実効性も考えなければならない。「審判が裁けばいい」「信頼と良識に基づいて運用」というルールは何も言っていないに等しい空論だが、更に問題なのは、現場の事情をよく分かっていないことである。
事件は会議室ではなく現場で起きている。
アマの地方大会では、プロ棋士を呼ぶわけにもいかず、かといって初心者にお願いする訳にもいかないので、どうしても選手兼審判(playing umpire? 古田選手・監督みたいだ)というような状況になりやすい。全国大会で審判として呼ばれたプロ棋士は指導碁を打っていたりする。現場にいても見誤る審判*1 だっているのに、現場を見ない審判なんて信用できるか。
碁は「神の審判」が下るゲームで、人為的な歪みが全くない点が美しい。安易に審判に頼ったらその美点が失われてしまうと思う。
*1 WBCのボブ・デビッドソン