世界に羽ばたけ!わ・リーグブロガー達の血と汗の物語(プロジェクトX)

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第一話
決断わ・リーグ誕生

平成17年夏、囲碁ブログが竹の子のように誕生して、まさに囲碁ブログ高度成長時代を迎えようとしていた。

このころ、nipparat とおさま先生のパンダネット杯での対戦をきっかけにして湧き起こったのが、ブロガー囲碁選手権構想である。

おさま先生のブログでの公募によって、その名称も「わたしのブログ囲碁よろしく選手権(わたいご)」に決定。

ナゾ氏が、企画実行を引き受け、いよいよこの七月からまずはブログ記事選手権としてタイゼムブログ上で開催されている。

しかし、記事選手権だけでは碁打ちとしては物足りない。自戦記のネタもない。そう誰もが思った。その時、nipparat が現れた。

nipparat はわたいご開催を知り、一局誰かとネット公開対局をしようと思っていた。これをブロガー仲間のpgに相談した。

pgは言った。

「それでは世界に通用しない。リーグ戦をやってみないか。」

nipparatは迷っていた、

「果たして世界に通用するリーグ戦など、この小さな住宅と安パソコンでできるのだろうか?」

pgは静かに、しかし確信をもって言った。

「できる。やってみよう。すべての責任は私が取る。開発はすべて任せた。」

nipparat は、その言葉に打たれて決意した。
「やってみよう」

X

エックスー~

司会:今日は、わ・リーグ設立に関わった、お二人に来ていただいています。 開発責任者 nipparat さんと、営業担当のpgさんです。 いやー、今の映像を拝見していますと、当時としては画期的なことだったんじゃないですか。 いろいろご苦労もおありだったと思いますが。

nipparat:そう、そんなリーグ戦成功するわけがないからやめとけと、言われましたね。

pg:わたしも最初この開発が成功する自信があったわけではないのですが、もうこれしか生き残る道がないと、腹をくくるしかない状況でした。

司会:なるほど。では、その後どうなったか見てみましょう。

順調に構想は出来上がったものの、肝心の選手選考が難航した。 一歩間違えば、囲碁生命を絶たれる危険な仕事である。 「私に命を預けてくれ」と各方面に頭を下げて回った。

まず、だす師匠が来てくれた。

続いておさま先生が来てくれた。

nipparat にとって、この二人の加入はこころ強かった。 ブログ、囲碁ともに最先端の技術を持っていた。

続いて、ひよこ雛形選手が来た。
この時はまだ、ひよこのような青年だったが、後にこのプロジェクトの鍵を握る人物である。

しかし、最期の一人がなかなか決まらない。 皆多忙である。
そして命が惜しい。
企画提出の期限が迫る。
「もうだめか」と諦めかけた時、あの男が現れた。

風の精ルーラ選手である。 文字通り、風の精のごとく現れた。

ルーラは言った。
「入れてくれんかな。」

nipparat は言った。
「よく来てくれた。一緒にやろう」

集まった者は、職人魂にあふれた荒くれもの集団。 面識のないものも多い。 果たして彼らを一つにまとめることができるか不安だった。

nipparat は、全員を集めて言った。

「命の惜しいものは、いつでも去ってくれ。これは、世界を相手にした仕事になる。」

みなの気持ちが一つになった。

リーグの名前は、すぐに決まった。

わたいご記念リーグ戦。

安易だったが誰も反対するものはいなかった。

わ・リーグの略称は偶然生まれた。

はじめさんのブログに書きコミをした時に nipparat が何気なく使った「わ・リーグ」が大うけして、語呂の良さで瞬く間に定着した。

必然的に、わ・リーグの選手は、わ・リーガーと呼ばれるようになった。

はじめさんも、後にこのプロジェクトにとって重要な役割を果たす人物である。

選手は決まったが、さらなる難題が待っていた。日程作成である。

日程の作成は難航を極めた。

金曜日しか打てないだす師匠。

試験で前半来れないルーラ選手。

超難解なクロスワードパズルを解くような作業だった。

寝る暇も惜しむ作業が続き、完成に近づいたが、nipparat を悩ます大きな課題が残された。

最終戦の組み合わせである。

優勝候補のひよこ選手対おさま選手にするか、nipparat 自ら出馬するか。

苦悩の末決断した。

原点に戻り、おさま×nipparat でいくことにした。

企画の完成を受け、営業担当のpgは宣伝のため駆け回っていた。

初日が勝負である。ここで集客できなければすべての苦労が水泡に帰す。

私財を投げ打ち、秘密の部屋をガラス張りにした。

しかし、その頃現場では新たな難題が持ち上がっていた。

nipparat のパソコンからフロントページエクスプレスが消えていた。

当初ネット上で拾えば良いだろうと楽観していたら、いざ探すとどこにも落ちていない。

マイクロソフトの締め付けがこんな末端まで及んでいた。

新たな初心者用ソフトホームページビルダーの購入には、巨額の投資が必要である。

妻を見た。

黙ってうなずいた・・・ように見えたので購入した。

ついに、緒戦の朝を迎えた。

X

エックスー~

司会:それでは、再び先ほどのお二人です。さあ、たいへんな苦労をしてできた日程表がこれですね。今見られてどうですか?

nipparat:感慨深いですね。この緑とカタツムリが何とも言えないのですよ。

pg:あっ、ほんとだカタツムリだ!。

司会:この後さらなる苦難が待ちうけます。 この続きは次回、シリーズ2で。

中島みゆき:
語り継ぐ人もなく~
旅はまだ終わらない
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第2話
執念の営業ネット碁界を制す

中島みゆき:
風の中のすばる~
つばめよ地上の星は
今何処にあるのだろう

司会:わ・リーグ誕生までの道のりを前回の第一話で紹介しましたが、今日はわ・リーグの集客に命をかけた営業マンたちの活躍を描きます。

わ・リーグ第一戦に向けての営業が始まった。

営業部長pgは部下を集めて言った。

「第一戦での集客が勝負だ。ここで、失敗したらこのプロジェクトも失敗する。」

pgは、あらゆる人脈を動員した。

自らの秘密クラブをも宣伝のために公開した。

秘密クラブの会員Oプロから待ったがかかった。

「秘密の公開はやばくないか!」

pgはきっぱりと答えた。

「私の方がやばい。この企画にすべてをかけている。」

Oプロは、甲高い声で何事か喋りまくりながらも、pgの熱意に打たれ同意した。 もう反対はなかった。秘密クラブからすべての秘密が漏出した。

時間がなかった。

pgとわ・リーガー達のブログ上での必死の宣伝活動が続いた。

第一局はおさま先生対だす師匠。

企画には絶対の自信がある。

あとは宣伝だけだ。

しかし、決め手がない。

このままで、集客はできるのか?
みなに不安がつのった。

切羽詰まった状況だった。

その時、はじめさんが現れた。

はじめさんは黙って絵を差し出した。
わ・リーグ

それを見て、一同「あっ」と叫んだ。

わ・リーガーがワルに描かれていた。

pgが叫んだ。

「これだ!これで、いける!」

一同、複雑な心境ながらもうなずいた。

X

エックスー~

司会:今日はゲストとして、pgさん、おさま先生、だす師匠に来ていただいています。
こうして向かえた第一戦、みなさんどんな心境だったんでしょうか?

pg:すべてできる事はやった、という気持ちでした。過激な宣伝活動のため、私自身がかなり傷つきましたが、わ・リーグにすべてを賭けてましたから。

だす:緒戦の前の日は緊張して全く眠れませんでした。弟子達の期待の重圧に押しつぶされそうになりました。でも普段若い子と区別していたおばさん達が、励ましてれました。(参考文献)

おさま:ククク。

司会:では、いよいよ開幕戦です。

開幕戦当日、試合開始の30分前に nipparat とpgは会場に入った。

その瞬間、あっと叫んだ。

なんと、人気女流棋士よる多数決対決の企画が同時刻に行われていたのだ。
nipparat は pg の顔を見た。

pgは言った。
「強行突破しよう」

わ・リーグ雑談部屋を作った。心配は無用だった。次々に人が集まってきた。 対局前に関わらず50人ものお客が部屋にひしめいた。

対局が始まると、さらに観戦者が増え対局室と観戦室合わせて250人もの人が押しかけてきた。女流棋士の企画には、その十分の一ほどのお客しかいなかった。

対局では豪快なおさま流が炸裂した。 だす師匠も果敢に戦ったが、最後まで一切緩めなかったおさま先生が押し切った。 おさま流を堪能した観戦者は興奮し、沸きかえった。

大成功だった。pgは泣いていた。夢にまで見た光景だった。命を賭けて参加したリーガーと捨て身の営業の勝利であった。

その後、続々とわ・リーグの営業に参加するものが現れた。

カンキのナゾさんが来てくれた。自社の目玉企画を妨害されたのにも関わらず、全面協力してくれた。

Voice of stone さんが来てくれた。本家より美しい対戦表を作り上げていた。

対局日誌さんが観戦記を持って来てくれた。コメントしづらい解説だった。でも嬉しかった。皆、感動して涙があふれた。

X

エックスー~

司会:歴史的緒戦は、大成功に終わりました。おさまさん、いかがでしたか?

おさま:ククク(泣いていた)

司会:次回は、nipparat さんが危機を迎えます。第3話をお楽しみに。

中島みゆき:
語り継ぐ人もなく~
旅はまだ終わらない
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第3話
絶体絶命 nipparat 雪辱への炎

中島みゆき:
風の中のすばる~
つばめよ地上の星は
今何処にあるのだろう

司会:わ・リーグ開幕の様子を前回の第2話で紹介しましたが、第2戦いきなりわ・リーグの命運を左右する大一番を迎えます。

nipparat、医碁界の帝王と呼ばれていた。野球碁聖と呼ばれたかった。

開幕戦の成功を喜んだのも束の間、nipparat は自らが対局するわ・リーグ第2戦を前に途方にくれていた。

最終戦に対おさま戦を組んだからには、最終戦に優勝がかかる展開にしなければプロジェクトは失敗に終わる危険がある。

その第2戦、nipparat の対戦相手はひよこ雛形選手だった。

近畿の超新星と呼ばれていた。

前年から、好成績を残し飛ぶ鳥を落とす勢いであった。この強敵を倒さなければならなかった。

対戦前日、nipparat は、ひよこ雛形の棋譜を並べた。

その強さに息を飲んだ。nipparat は、営業部長pgに言った。

「勝てる気がしない。」

pgは言った。

「負けたら、坊主になりなさい。」

nipparat は覚悟を決めスタッフ全員を集め、静かに切り出した。

「この一戦負けたら、つるつる坊主になり眉も落とす」

再び、皆の心が一つになった。

X

エックスー~

司会:今日は nipparat さんにゲストとして来ていただいています。負けたら坊主という決意は本当だったんですか。終わってから付け足したという声もありますが?

nipparat:この目を見てください。

司会:本当でした。では、いよいよ対局開始です。

nipparat は、試合当日の夕方、気分一新のため床屋に散髪に出かけた。混んでいて対局に遅れそうになった。

午後8時運命の対局が始まった。対局場には、300人近い観戦者が押しかけていた。

黒番のひよこ選手が序盤から飛ばした。 得意の地に走る展開で局面をリードした。

nipparat が仕掛けた罠もあっさりとかわされた。

「もう駄目か」と思った瞬間、ひよこ選手が白陣に踏み込んで来る手が見えた。

「ここだ!、ここしかない。」

nipparat は、すべての力をここにつぎ込み逆襲に出た。

奇跡が起きた。

あれほど隙を見せなかったひよこ選手が、これを境に一気に後退してしまった。

誰もが目を疑う光景であった。勝てないと言われていたひよこ選手に勝ってしまった。皆が言った。「わ・リーグ」には魔物が住んでいる。参考記事

この一戦によって大きな流れができた。

nipparat はだす師匠も倒し連勝。おさま先生もひよこ選手を倒し連勝スタートを切り、リーガー達は明暗を分けた。

この頃、虎視眈々と戦況を見守っていた人物がいた。

大学院生だった風の精ルーラ選手。

碁法の賢者と呼ばれていた。

試験のため前半戦の対局を断っていた。

しかし、毎回対局場に来ていた。

勝負の鬼だった。

後に台風の目となった。

X

エックスー~

司会:再び nipparat さんです。ルーラさんは5人目の男だったそうですね。

nipparat:はい。観戦記者としての実力を買ってスカウトしたのですが、トンでもない見損ないでした。

彼は、この前半戦に各選手の弱点を徹底的に洗い出し、試験の勉強時間も惜しみ大学ノート5冊にも及ぶ「ルーラの考え」を完成させていたのです。

司会:そうだったのですか。これが、ルーラ選手後半の快進撃を支えたノートですね。最初のページに決意が書き込まれていますね。

ふむふむ、「ひよこを焼き鳥にする。だすの.....おっとと、これは放送できませんね」

次回第4話では、恐ろしい罰ゲームがリーガー達を襲います。お楽しみに。

中島みゆき:
語り継ぐ人もなく~
旅はまだ終わらない
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第4話
恐怖の罰ゲームが襲う激闘の盤外戦

中島みゆき:
風の中のすばる~
つばめよ地上の星は
今何処にあるのだろう

司会:わ・リーグ序盤戦の様子を前回の第3話で紹介しましたが、中盤戦に入りわ・リーガー達を恐怖の罰ゲームが襲います。

開幕から予想を超える人気を博したわ・リーグも中盤戦を迎え、営業マン達は苦悩していた。

ここまでは、つねに200人を超える観戦者が来てくれたが、このまま続くほど甘い世界ではない事は誰もが承知していた。新たな魅力企画を開発しなればならない。

営業部長pgは、全員を集めて言った。

「チャットで盛り上げよう。」

この時pgは、その言葉が自分を焼き尽くす炎の引き金になるとは予想もしていなかった。

すでに、天性のエンターテイナーであるおさま先生を中心に実況解説中や局後のチャットでの盛り上げを行っていたが、中盤からさらに強化した。

企画責任者 nipparat も全力を出した。

かつてアマトップクラスとストリップの話題で盛り上がったネタを出した。

スルーされた。

反省した。

この後も、nipparat はネタを振ったがことごとくスルーされ、焦っていた。

その焦りが後に一人の女性の人生を狂わせてしまうことになる。

X

エックスー~

司会:今日は、nipparat さんに来ていただいています。どんなネタがスルーされたんでしょうか?

nipparat:「今日は大雨で、川で10kmほど流されて遅れそうになりました。」と言ったらスルーされました。

司会:なるほど~、
スローしたネタがスルッとスルーされたわけですね。 …………失礼しました。

では、その後の展開を見てみましょう。

おさま先生、囲碁ブログの皇帝と呼ばれていた。

このままでは、刺激が足りないと感じていた。 局後のチャットで突然言った。

「だすが最下位になったら坊主だ。優勝候補だったひよこが最下位になったらどうする?」

nipparat が言った。

「ひよこさんが最下位になったら、pgさんと結婚する。」

何気なく言った言葉は、多くの賛同を呼びあっという間に現実のものとなった。

pgの了解はなかったが、引っ込めることが不可能になっていた。

公約は一人歩きを始めたのだった。

さらに、おさま先生と nipparat が優勝できなかった場合の罰ゲームが、それぞれ「ブログの再開」と「高級中華ご馳走」に決定した。

ここで、風の精ルーラが現れて言った。

「一勝もできなかったら、一生リーガーの顧問弁護士になる。」

居合わせた全員、息を飲んだ。その危険は十分にある。まさに命を賭けた決断だった。

しかし、だす師匠、ひよこ選手、pg営業部長が反発した。

「連勝連敗の明暗が出たところでの罰ゲームは、ひどい。策略ではないか。」

「結婚が罰ゲームでは女性ファンの怒りを買う」

リーガー達の心はバラバラになり、リーガー同士、誰も信じられない状況に陥った。

nipparat は、思った。

「このままではリーグの存続の危機だ。何とかしなければ。」

nipparat は、全員を集めて言った。

「この目を見てくれ。実は開幕時に私は、ひよこさんに負けたらつるつる坊主になる決意をしていた。罰ゲームはもう引っ込められない。女性ファンの怒りはすべて私が引き受ける。」

全員の心が再び一つになった。

X

エックスー~

司会:いやあ。今の映像を拝見していますと、壮絶な事態になっていたようですね。 しかし、nipparat さんの一言で再び全員の心が一つになったという事は、やはり皆わ・リーグを愛していたのでしょうね。その後、女性ファンはどうなりましたか。

nipparat:心配ありませんでした。女性ファンは、自らに厳しい試練を与えて男を上げたルーラ選手と、母性本能をくすぐるひよこ選手に群がりました。
すごい熱狂で、ひいき選手の敗戦後に一晩中泣き明かしたという、中年女性ファンの話も聞いています。

司会:なるほど~。そして、nipparat さんは自ら汚れ役となることで中年男性ファンを引き込んだわけですね。見事な策略です。

次回、第5話、いよいよわ・リーグがフィナーレを迎えます。お楽しみに。

その後、ルーラ選手、快進撃を見せた。

優勝候補のおさま先生、先輩のだす師匠を破って優勝戦線に躍り出た。

おさま先生、ルーラ選手に不覚をとったが、すでに最終戦に焦点を合わせていた。

nipparat、気が狂ったように過激なポスターを発表し続けていた。

すべての女性ファンを失った。

中島みゆき:
語り継ぐ人もなく~
旅はまだ終わらない
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第5話
ラストファイト わ・リーグよ永遠なれ

プロジェクトの成功の陰には、無名の日本人を主人公とする組織と群像の知られざるドラマがあった。

熱い情熱を抱き、使命感に燃え、ブロガーの矜持を胸に、人々はどのように直面する障害を乗り越え、マニュアルのない状況を切り拓いていったのか。あらゆるプロジェクトを成功に導くカギがここにある。

巨大組織日本棋院に果敢に挑戦状を叩きつけ、総力を挙げて戦い抜いたブロガー達の壮絶な物語である。

その技術力で危機を乗り越えたブロガーたちの伝説のラストファイトを描く。

中島みゆき:
風の中のすばる~
つばめよ地上の星は
今何処にあるのだろう

司会:わ・リーグ終盤戦での壮絶な盤外戦の様子を前回の第4話で紹介しましたが、ついに わ・リーグはフィナーレを迎えます。

営業部長pg、営業の鬼と呼ばれていた。自らの人生がかかることになった終盤戦を迎え、眠れない夜を過ごしていた。

<ひよこ雛形選手が最下位になったら結婚>

洒落だとは思ったが確信が持てなかった。

どこまでが本気でどこまでが洒落なのか分からない、それがわ・リーグだった。

営業課長はじめさん、最終戦を前に傑作宣伝用アニメーションを完成させていた。

pg部長を思いっきりネタにしていた。

容赦なかった。

企画責任者nipparat、過激なポスターを発表し、頭は大丈夫かと言われた。

大丈夫かどうか自分でもわからなかった。

ひよこ雛形選手、近畿の超新星と呼ばれていた。爆発寸前だった。

最期の一戦に人生を賭けていた。

風の精ルーラ選手、自ら課した罰ゲームを自らの力で撥ね退けた。

エゲツナイ勝負師の顔が徐々にあらわになっていた。

だす師匠、東海の碩学と言われていた。突然、名企画「わ・リーグこの一手この一局」を発表した。

自らが妙手を放った直後だった。

おさま先生、ルーラ選手に不覚を取ったが最終戦の勝利に自信満々だった。

祝勝コンサートをすでに準備していた。

最終3連戦初日、だす師匠の見事な打ち回しに対して辛抱していたルーラ選手が逆転勝ちした。

この時、舞台裏ではトラブルが発生していた。ひよこ選手が、翌日都合がつかなくなったのだ。

急きょ最終戦は、ひよこ対ルーラ、おさま対nipparat のダブルヘッダーとなった。

営業部は、日程変更のアナウンスのため、夜を徹して走り回った。

ダブルヘッダー第一戦、心配していた事態が発生していた。

大阪出張だった nipparat を始めとして対局者以外のリーガーが試合開始に間に合わなかったのだ。

実況解説者がいない。わ・リーグ最大の危機を迎えていた。

誰もが諦めかけた時、奇跡が起きた。

レイジさんが現れ、実況を引き受けてくれた。

ひよこ選手ルーラ選手ともに豪快な変則布石から空中戦を展開し、観戦者を魅了した。

午後9時、ついに最終戦を迎えた。

X

エックスー~

司会:今日は関係者全員にスタジオに来ていていただきました。

このころ、囲碁日誌さんを始めとして、pgさんの結婚、優勝のかかった最終戦など、実は出来レースだったのではないかという噂が飛びましたがどうだったのですか?参考文献

nipparat:いえ完全なガチンコです。私としては、最終戦全勝同士で対戦したいという気持ちが強くあったのですが、なりませんでした。ひよこさんを警戒してましたが、まさかルーラさんが割って入ってくるとは予想もしてませんでした。

ひよこ・pgカップルについても全く思いつきで漏らしたネタだったのですが、すごい賛同を得てしまい戸惑いました。

ただ瓢箪からコマで、この際くっ付けちゃおうとしたのですが、性格の不一致があったようです。

チャットで罰ゲームネタで盛り上がっていた時に、ひよこさんが突然ラーメンの話をして話題を逸らそうとしたのが、営業部長pgさんの逆鱗に触れたようです。

司会:ひよこさん、そうなんですか?

ひよこ:はい。pgさんに気を使ったつもりだったんですが、pgさんのすべてにネタを優先する人生観に気づきませんでした。

司会:nipparatさん、pgさんはなぜそこまでネタを重視するのでしょうか?

nipparat:彼女は私と同じで、人生そのものをネタと捉えているようです。

pg:コラッ (nipparatの頭を引っ叩く)
→(ADさんが、後ろから注意する)

司会:では、続きを映像で見てみましょう。

最終戦、おさま・nipparat戦が始まった。

おさま先生が、見事な打ちまわしを見せた。

中盤でnipparatの緩着が飛び出し、寄せで追い上げるが白番おさま先生の1目半勝ちとなった。

最後に相応しく、10局中最も細かい碁になっていた。この結果、ルーラを含め3者同率優勝、劇的な幕切れであった。

局後、音声付解説機能を使い、おさま先生のギター演奏と歌が披露された。「本当にプロ並みだったんだ」、と皆が思った。

みな健闘を称えあい、わ・リーグの成功を喜んだ。

名残惜しく、深夜までチャットが続いた。

午前2時すぎ、ついに わ・リーグは静かに幕を閉じた。

X

エックスー~

司会:それでは、皆さんでもう一度わ・リーグを振り返ってみましょう。まず、わ・リーグの魅力はなんだったのでしょうか?

おさま:参加者がブログで、対局にかける思いを書いたことだな。だから幽玄のプロのリーグ戦よりも面白かったはず。

だす:pgさんの宣伝の効果が大きかったのではないでしょうか。対局者としては、公開対局なのですごく気合が入って楽しかったです。負けた時のつらさも大きいですが。

おさま:いや、おさま流の魅力が第一だろうな。

nipparat:アマによる実況や局後の検討も、棋士のそれより気楽でかなり盛り上がったと思います。

ただ、級位者には難しかったという感想もあったので、余裕があれば級位者向けの図を多く作るのも良かったと思います。

司会:ところで、今後わ・リーグはどうなっていくのでしょうか。

nipparat:未定です。なぞさんが企画を引き受けてくれた<わたいご>ブロガー選手権が開催されると思うので、まずはこれが盛り上がっていくのを希望しています。

リーグをいくつか作る案や、団体戦の案も出ています。いずれにしても、わ・リーグの成功から良いところを盗んで生かしてもらいたいと思います。

pg:それぞれのリーグをまとめても盛り上げるのは難しいですね。それをする人がいるかどうか。

nipparat:本部(なぞさん)だけが盛り上げようとしても絶対盛り上がらないです。リーグをいくつか作るとすれば、それぞれが自主的に盛り上げていくような形のリーグでないと難しいです。

その場合、それぞれが独自に運営される特色のあるリーグの集合体にする手もありますね。または、完全に一部・二部というように序列化したリーグにして本部が管轄する方法もあるでしょう。

ルーラ:団体戦構想も有力です。所属ブログ別、地域別とか。

nipparat:選手の選抜方法は?

ルーラ:それは、人気投票。

nipparat:それは、ブロガー大会らしい決め方で面白いですね。選挙広告みたいな記事も出てくるかも知れないですね。

だす:ジャンボ団体戦へのブロガーチームの参加はどうでしょう。

ひよこ:あれはすごくレベル高いから、今のブロガーすべてから選抜しても太刀打ちできない感じ。それと、私は地元のチーム以外から参加した場合、拷問すると脅迫を受けています。

nipparat:まずは、もっとブログ界に人を引き込まないと難しいでしょう。でも、こっそり始めている超強豪もいるらしいですね。ブロガー内で大会をやって隠れた強豪を引っ張り出して、ひよこさんのように新たなスターを作り上げるのも必要ですね。

打ちたい人がたくさんいるのは間違いないようです。ただ、すぐにいろいろと話が進まない状況であれば、適当な時期にまたわ・リーグを開催することも考えています。

司会:今リーグの碁の内容はいかがだったでしょうか。

nipparat:序番戦でやや淡白な碁が多かったので、心配したのですが、終盤になるにつれて、だんだん面白くなってなってきた感じですね。

10局という局数に比べて、面白い手がかなり多かったと思います。はちまん先生からも面白かったという評価を頂きました。

妙手の数としては、だす師匠がいくつも披露して目立ちましたね。質と言う点では、何と言っても第6局での私のアテコミでしょうね。参考文献

おさま:おさま流カタツキが一番だろうね。

pg:私の亀のぐずみでは?

一同:・・・・・・・

pg:いやあ~ん、誰か突っ込んで~。→カット→ディレクターが厳重注意する。

司会:5夜に亘り、わ・リーグ成功に命をかけたブロガー達の活躍を描いてきました。これは、自らの人生までを賭けて成功に執念を燃やした壮絶な戦いの物語でした。

次回からは、わ・リーグに並ぶとまで言われた命を賭けた大事業「プロジェクト・黒部ダム建設」をお楽しみください。

番組の途中、一部お見苦しい場面があったことをお詫び申し上げます。

わ・リーグが終わり、リーガーは帰路についた。

nipparatはすべてのリーガーの姿が見えなくなるまで見送った。そして思った、このリーグで学んだことをそれぞれの場で生かし、日本を支えるエリートになってほしい、と。

10年後の2016年、元わ・リーガー達はみな健在である。

だす師匠:多くの弟子が全国の場で活躍していた。東海の碩学から転じ、東海の菊池康郎と呼ばれるようになっていた。

ひよこ選手:近畿の超新星はついに爆発し、日本一になっていた。アマチュア囲碁界では圧倒的な強さを誇ったが、なぜかネット碁には弱かった。

ルーラ選手:戦う弁護士となっていた。連日のように、ワイドショーに呼ばれ視聴者と熱いバトルを繰り広げていた。丸山、橋下、ルーラで三羽烏と呼ばれている。

はじめ営業課長:画の道で世界を制した。世界のすべての碁盤と碁けい紙にはゴックンが描かれている。

おさま先生:おさま流で日本一になった後、東欧の女性と結婚し移住。プロの囲碁ブロガーに転身した。一日100万アクセスを誇るマンモスブログを作り上げていた。

pg営業部長:営業マンのカリスマとなった。献身的なわ・リーグの営業は伝説となり、全国の講演会に呼ばれている。

nipparat:一日中囲碁ボケのことだけを考えて生活が破綻するという重症の囲碁ボケ依存症を発症してしまい、保護入院中だった。

おさま先生主催の囲碁ボケは、多数の囲碁ぼけ依存症者を作り出し社会問題化している。

中島みゆき:
語り継ぐ人もなく~
旅はまだ終わらない
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